管工事、非住宅施設の建設 ヤマト 【1967・スタンダード市場】

建設フローの内製化戦略で成長
人手不足下でも品質均一化を推進

ヤマトは、給排水衛生設備や暖冷房設備などの管工事を強みに、非住宅施設の計画、設計、施工、管理を行う建設企業だ。群馬県前橋市に本社を置き、関東甲信越・東北地方で事業展開している。他社に先駆けて3DCG化した設計ソフトを自社開発・導入してきたほか、配管などの製造・加工まで自社で手掛ける。こうした独自の建設フローは、人手不足や異常気象などの影響を受けることなく、建設品質の均一化を目指し構築してきたものだ。一連の内製化戦略が結実して、かつて1~2%台だった営業利益率は、約10年で10%近くまで上昇。2026年3月期には売上高・営業利益ともに過去最高となった。
ヤマト-町田 豊

町田 豊(まちだ・ゆたか)

社長

1952年6月生まれ、群馬県出身。75年関東学院大学工学部卒業後、大和設備工事(現:ヤマト)入社。2009年取締役、15年取締役副社長、16年代表取締役社長執行役員(現任)。

3次元ソフト開発、配管加工も自社で
「工業化できている建設会社は少ない」

ヤマトは管工事を強みとして、オフィスビル、庁舎、病院、ホテル、温浴施設、スーパー、工場、倉庫、水処理施設などを幅広く手掛ける。

創業は1945年。給排水衛生設備や暖冷房設備工事の設計・施工を主としながら、徐々に冷凍・冷蔵設備や上下水道などにも領域を広げ、ゼネコンから工事を受注する地場有力サブコンとしての地位を確立していった。

同社が属する建設業界においては、人手不足や長時間労働などが問題視されている。また今もなお、施工現場で資材の納まりが図面通りにいかず、その場で手直しする、あるいは依頼主・設計者・施工者間の認識のズレや設計・施工ミスなどで、前工程のやり直し(手戻り)などが起こっている。そのため、国土交通省は3次元データを用いて業務を一元化するBIM(※1)の導入を奨励。業界全体での導入率は6割弱(※2)となっている。

※1:ビルディング・インフォメーション・モデリング。建物の3Dモデルを作り、そこに建材や設備などの情報をまとめる技術

※2:国土交通省 建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査(令和6年度)より

そうした中で同社の強みは、BIMが普及するよりも早い段階から、3次元ソフトを開発・導入して基本計画から設計、施工、保守・メンテナンスをワンストップで行う業務体制を進めてきたことだ。また、パイプやダクトの「加工センター」、企画・設計業務を集中的に行う「プロダクトセンター」、完成イメージを疑似体験できるバーチャルルームを備えた「サポートセンター」を持っていることも特徴的と言える。

工期とコストを削減

同社ではまず、計画・設計の初期段階にサポートセンターで完成イメージや建材の詳細仕様・施工方法などを3DCGパースで表現して顧客に提案する。各パーツについて細かくデータ化されており、建築、構造、電気設備、機械設備など空間情報の整合性がとれているため、施工現場で納まりが悪くなることはない。

「例えばプラモデルを設計図通りに作れば出来上がるのと同様に、一品生産の構造物で実現させようと、長年にわたり地道に取り組んできました。3DCGパースは視覚で伝えられるため、設計段階で完成イメージをわかりやすくお客様に共有できます。すると合意も得られやすいですし、具体的な意向も引き出しやすいのです」(町田豊社長)

▲3次元ツールを活用し空間情報を整合化

初期段階の工程(フロントローディング)を高精度に進めることで、施工前に工場で資材を加工することが可能になる。

「データを基に自動で加工サイズが積算されます。工場ではロボットが管を切ったり、曲げたり、溶接したりします。ここまで工業化・ロボット化をしている建設会社はおそらく少ないと思います」(同氏)

▲自社工場でロボットが配管溶接を行う

その後、施工現場で組んだり据え付けたりするだけで作業が完了する。作業時間が短縮され、人手不足対策や熱中症対策にも有効となる。また、手戻りや手直し、打ち合わせ回数が減り、工期やコストの大幅な削減につながっている。

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