パッケージの直販体制を敷く ザ・パック 【3950・プライム市場】

製造・販売・物流の一貫体制で1万5000社と取引
トータルソリューションが強みのパッケージメーカー

ザ・パックは、国内シェア3分の1の紙袋をはじめとして、、段ボール、プラスチックバッグまで、パッケージ商品を広く取り扱う総合パッケージメーカーだ。クライアントは、食品やアパレルメーカー、百貨店、スーパー・ドラッグストア、医薬品・化粧品メーカーなど多岐にわたる。個別対応を行い、小ロットの受注を積み上げるというスタイルに強みを持つ。同社は1952年に設立。91年には株式上場を果たし今日に至っているが、その間ほぼ一貫して右肩上がりに業績を伸ばしてきた。2024年には初めて売上高1000億円を突破し、以後も成長を続けている。
ザ・パック-仲村 直樹

仲村 直樹(なかむら・なおき)

社長

1965年6月生まれ、福岡県出身。89年立命館大学産業社会学部を卒業後、ザ・パックに入社。2008年同社東京第一事業部三部部長。13年中四国事業部長。17年執行役員、関西第二事業部長。19年常務執行役員、西日本事業本部長。24年常務取締役。25年3月代表取締役社長(現任)。

営業250名の直販体制で細やかな個別対応

顧客は食品から自動車まで

▲ザ・パックの製品ラインアップ①

同社が扱う商品は、デパートや土産物店で菓子や食品、アパレルなどを購入した時に使われている。紙の箱や手提げの紙袋などがその代表だ。さらに、化粧品や雑貨などのおしゃれな箱に加え、最近では、ネットショッピングで梱包に使われる段ボール箱などの取り扱いも増えているという。袋や箱自体に同社の名前が入っているわけではないが、気づかないうちに、実はザ・パックのパッケージを使っているという場合もあるだろう。

取引先は約1万5000社にも及ぶ。業種も食品やアパレル、百貨店、スーパー・ドラッグストア、医薬品・化粧品などの他にも、EC(通販)、雑貨、家電・住設、ライフケア、自動車関連など幅広い顧客層を持つ。そのため、特定の業界不況の影響を受けにくいという大きな強みを持つ。

例えば、食品スーパーなど小売店のレジ袋が有料化された際、レジ袋を主力としていた同業者は大きな打撃を受けた。だが、同社はレジ袋を含むプラスチックバッグを数十億円規模で取り扱っていたものの、他製品が売り上げを支えたことで、大きな影響を受けずに済んだという。

全てが個別対応の別注品

自社工場を保有する同社は、製造・販売・物流の一貫体制を敷いている。さらに、支社と営業所は全国に11カ所ずつあり、直販体制を敷いているのが大きな特徴だ。各地に配属された営業担当250名は、流通を通さずに取引先に直接足を運ぶ。ニーズを直接聞き出すことが可能なことから、個別案件に対するきめ細やかな提案力を武器としている。

▲直販営業体制

例えば、大判で割れやすいクッキーのEC用箱の依頼を受けた際、同社は緩衝材が不要なクッション性の高い配送用段ボールを提案・製作した。割れにくさを考慮すると同時に環境にも対応。緩衝材の詰め作業を不要とすることで、梱包作業の効率化にも貢献。さらに構造設計を工夫することで、1種類の配送用段ボールで商品1箱入り・2箱入りの両方に対応できるパッケージの共通化を実現。在庫管理の負担軽減にも繋がったという。

仲村直樹社長が話す。

「当社のような加工業の開発では、素材メーカーならあるであろう劇的な新製品は生まれにくい。全て個別対応の別注品で、細かい開発の積み重ねになります。その分、手間はかかりますが、だからこそ他社にとって参入障壁が高いという、ビジネス上のメリットがあるとも言えます」

研修施設「ラボ」を活用

パッケージの構造設計者・グラフィックデザイナーは75名おり、営業担当者が持ち帰った案件は一緒に検討し、協同提案を行うというサポート体制が整っている。

東京・大阪・福岡の3拠点には、社員向けのパッケージ研修施設「パッケージラボ」を保有。特に東京、大阪は規模が大きく1000㎡近い広さを持つ。手土産用菓子の工夫を凝らしたパッケージ、著名アパレルブランドのパッケージ、EC向けの各種段ボール、クリスマスパッケージが一堂に会した大型コーナーなど、様々なニーズに応えて生み出した多種多様な自社製品と、欧米などで集めたパッケージの収集品を豊富に取り揃えている。

ラボはパッケージに関する研究・情報発信の場となっており、社員の知識や専門性向上に貢献しているという。

「私自身、以前営業マンだった時にはパッケージラボに本当に助けられました。これだけの規模の施設を持つ会社は少なくて、同業の方にも一度見てみたいと言われますね」(同氏)

営業・設計・デザインの各担当が連携し、パッケージラボも活用して「パッケージのトータルソリューション」ができるというのが、同社の大きな強みだ。

自社工場で半数を内作

2025年12月期の売上高は約1031億円、営業利益は約72億円だった。売上高のうち約3割が食品向け、2割弱がアパレル向けのパッケージと、この2業種だけでおよそ半分を占める。食品で多いのは菓子食品用パッケージだ。これは、スーパーの菓子コーナーに置かれているような、大手の菓子食品メーカー向けの量産パッケージではなく、デパ地下に並ぶ手土産用菓子や中堅の菓子食品メーカーこだわりの箱や袋だ。

▲ザ・パックの製品ラインアップ②
紙加工品(紙袋)、化成品(フィルム包装)、紙加工品(段ボール)、その他(巾着)

セグメントで見ると、紙加工品事業が売上高の74%を占め、化成品事業が13%、その他が14%だった。紙加工品の内訳は、売上高の31%が紙袋、26%が紙器、14%が段ボールなどとなっている。化成品はプラスチックバッグやオムツの外装など樹脂系パッケージで、その他は主に仕入れ品を扱っている。

グループの自社工場は国内に9、海外に1カ所。2018年にグループインしたカンナル印刷は医薬品・化粧品のパッケージが専門。25年からグループインした光パックス石川は、和菓子などで使用される貼箱製作が得意だ。この2社に代表されるように、近年同社が強化したい技術や、保有しない機械を持つ企業を子会社化。多様な自社工場を揃え、あらゆるニーズに素早く対応できる体制を強化してきた。

「今扱っている製品のうち自社工場で半分、残りは協力工場でつくっています。内作すべき商品とそうでない商品というのは選別しています。例えば、レジ袋のほとんどは海外協力会社でつくられています」(同氏)

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