日特建設 【1929・プライム市場】

豊富な工法を選択肢に、現場ごとの最適化を実現する。
「日特に頼めば何とかしてくれる」という競争優位性。

ダムグラウチングの技術をベースに、多くの独自技術を育んできた日特建設は、「技術の会社」と見られることが多い。この認識は正しい一方で、同社の競争優位性は、工法の数や技術の保有数そのものにはとどまらない。多様な選択肢から各現場での最適解を導き出す「提案力」、そしてそれを最後まで形にする「施工力」が、同社の強みの本質となっている。

▲豊平峡ダム(北海道札幌市)
1972年竣工。ダム建設時にはダムグラウチングを施工した。2023年から2025年にかけ、堤体の耐震補強工事を担当した。

工法数だけでは差はつかない

日特建設は地盤改良や法面などの特許を多数保有するが、工法数や種類を過度に強調することはない。業界では特許がなくても他社の代替手段でほぼ同じ目的を達成できるケースも多く、技術の保有は前提条件に過ぎないからだ。

もし「自社にしかできない工法」に固執し、現場の最適解よりも自社技術の売り込みを優先すれば、顧客の真のニーズから外れてしまう。さらに、他社も代替手段を持っている以上、「どの工法でもほぼ同じ結果になるなら安い方を」と、不毛な価格競争に巻き込まれることになる。だからこそ同社は、特許や工法の保有数自体を競争優位の根幹には据えていないのである。

強みは「現場ごとの最適化」にある

同社の競争優位の源泉は、豊富な選択肢をもとにした「現場ごとの最適化」だ。建設現場は地質や地形、周辺状況、地下埋設物、既設構造物などの条件が千差万別で、複数の課題が複雑に絡み合う。

基礎から法面まで網羅する同社では、多様な選択肢を組み合わせて現場ごとの最適解を導くことが可能だ。設計段階から課題を見極める「提案力」と、それを最後まで形にして納める「施工力」の掛け合わせこそが、同社の揺るぎない競争優位性を確立している。

「日特に頼もう」と選ばれる理由

設計段階から深く関わるアプローチは、顧客との間に単なる受注関係を超えた連携を生む。図面通りの相見積もりに終始するのではなく、課題解決のパートナーとして機能することで、難易度の高い案件ほど「困ったときは日特に相談しよう」という信頼関係構築につながってきた。

この「提供する付加価値によって選ばれる」という関係性が、価格競争とは一線を画した安定した受注基盤となっている。付加価値に見合った適正な収益の確保が、健全な収益構造、長期的な企業価値の向上、ひいては株主・投資家への持続的な還元へと結びついていく。

知見の共有と組織的バックアップ

質の高い最適化提案を全国で実行する基盤が、同社が掲げる「エリアコミット経営」である。これは「地域に密着して顧客に寄り添うことにより、その地域の地質や施工条件などを熟知したうえで、顧客の要望を的確に把握した最適な解決策を提案する」という従来からの同社の営業スタイルを改めて言語化したものだ。

同社では「営業のほぼ全員が技術者出身」であり、知識と経験に基づく確かな視点で提案を行っている。さらに、3年前に九州で成功した手法を東京の類似現場で応用するなど、「全国の知見を共有するネットワーク」も構築されている。また、各地の営業所を、支店や本社が手厚くバックアップする「組織体制」も整備。この三位一体の体制が、エリアにコミットした提案と徹底したリスク管理を両立させている。

組織とシステムで不確実性を低減

独自の提案型案件が収益性向上に寄与する一方で、全社の売上構成においては一般的な競争入札案件も一定の割合を占めている。また、千差万別な地盤を相手にする土木事業では、案件ごとの条件を丁寧に見極め、営業所・現場・本支店が連携してリスクを抽出・共有することが、収益性を安定的に高めるうえで重要となる。同社はこうした課題に対し、リスク管理の仕組み化を進め、収益性のさらなる向上につなげようとしている。

具体的には、営業から施工までを横断するシステムやAIを導入し、属人化しがちな現場知識や過去のリスク事例を集約する取り組みを進めている。全社で知見を共有・展開できる仕組みを作ることで、個人のリスク見落としを防ぎ、最適解の再現性を高める狙いだ。

同時に、利益の上がる組織を目指すため、事務系人材が現場支援を推進し、現場の業務負担を軽減する「支援課」の新設など、組織改編にも着手した。現場の事務負担を組織的に軽減することで、最前線の技術者が施工の品質や利益管理に全力で集中できる環境を整えている。

「何とかしてくれる会社」であるために

こうしたシステムや組織の変革も、すべては「日特に頼めば何とかしてくれる」という顧客の期待に応え続けるためのものだ。
現場ごとの課題に対して最適解を見つけ、最後までやり遂げる。その姿勢が、社会インフラを支え、人々の「ふつう」の暮らしを守る同社の原動力となっている。

日特建設

東京都中央区東日本橋3-10-6
Daiwa東日本橋ビル4階・5階・6階

https://www.nittoc.co.jp/

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