法面や地盤改良工事で国内上位
社会インフラを支える仕事
日特建設は、法面工事や基礎・地盤改良工事、補修工事を事業の中核とする。創業は1947年。大型建築物や都市再開発プロジェクトのような脚光を浴びる仕事ではなく、山中の道路斜面、ダムや建物の基礎における工事により、人々が「ふつう」に暮らすための基盤を整え続けてきた。
例えば、山間部や道路脇などでよく見られる法面(斜面)では、崩壊・土砂崩れ・落石・浸食を防ぐ法面工事において国内シェア1~2位を競う。地盤を強化する地盤改良工事は同3位。祖業のダム基礎工事では、国内の堤高100m以上のダムにおけるグラウチング(セメントミルクを基礎岩盤の割れ目に圧入し、遮水性の向上と地盤強化を図る)にて8割以上の施工実績を誇る。
道路、河川、ダム、鉄道等における防災・減災工事や災害復旧など、人々が安全・安心な暮らしを送るうえで欠かせない事業ゆえ、安定した需要が継続しているのが特徴だ。特に2011年以降は、国内での地震や気象災害の発生増大・激甚化によりインフラ整備の重要性について社会全体で意識が高まっており、同社においても年平均3%の売上成長を遂げている。
顧客から信頼される理由
地質知見と土木技術の融合
同社の案件は官公庁からの発注が8割、残り2割が電力会社や鉄道会社などの民間案件だ。同社では長期的な成長を見据え、全体の案件数を伸ばしながら、民間の受注比率を3割に引き上げていく取り組みを進めている。
受注拡大を進める上で強みになっているのが、「地質への深い知見」と「高度な土木技術」である。山間部の高圧鉄塔の杭基礎工事、鉄道の安全運行を支える法面工事、都市部での地盤改良工事など、持ち込まれる案件の多くは立地条件の厳しい難現場における基礎工事だ。そういった案件に対し、同社では地質に詳しい技術者が現場を調査し、土木技術者が社内に蓄積された工法から最適な技術を提案している。「地質への知見と施工技術の一体」によって難工事を遂行してきたことで、同社は発注者からの厚い信頼を積み重ねてきたのである。
「新設」から「維持・補修」へ
市場の変化が追い風に
高度経済成長期に集中整備された国内の社会インフラは、急速に老朽化が進んでいる。市場トレンドは「新設から維持・補修」へと大きくシフトしており、この変化は同社にとって追い風だ。法面対策、地盤改良、補修工事は維持管理の中核を担う工種であり、老朽化が進むほど需要が高まる構造にある。
加えて同社は、これまで積極的に携わってきた災害復旧工事の経験を活かし、「災害が起きてから動くのではなく、起きる前に事前に防ぐ」という考えのもと、老朽化インフラへの事前対策や防災工事の普及など、「予防インフラ」の浸透にも力を注いでいる。国土強靭化への機運が高まる今、同社の事業領域はその社会的な必要性とともに、着実に広がっている。
施工機械の自動化・遠隔化が
事業持続力の源泉に
社会インフラを持続的に支え続けるには、それを担う人材の確保が不可欠だ。しかし建設土木業界では、高齢化や人口減少による担い手不足、熟練技術者の減少が深刻化している。日特建設は施工機械の自動化・遠隔化でこの課題に正面から向き合っている。
法面のコンクリート吹付を自動化した施工ロボット「スロープセイバー」、ダム基礎工事の遠隔操作システム「I・S・Dグラウチング」、3次元モデルを活用した施工の可視化「Slope 3D」。これらにより、山奥などの人里離れた場所での作業従事が難しい人材にも活躍の場が広がり、多様な働き方が実現した。
現場に行かずともオペレーションに参加できる環境は、技術の継承、安全の確保、施工効率の向上にも着実につながっている。人を大切にするこうした姿勢と環境整備こそが、長期にわたって社会インフラを守り続けるための事業持続力の源泉となる。
「ふつう」のくらしを守る
だからこそ、なくてはならない
「私たちは、見えないところにこそ、誠実に技術を提供して、社会から必要とされる企業であり続ける」。それが、日特建設が大切にしている社是である。同社では見えないところにこそ、プライドを持って地道な工事を積み重ねてきた。その技術と信頼は、これからの社会インフラを守る確かな力となる。「未来のふつうを、創る。」その言葉通り、同社は日本の日常を支え続けていく。











