クロスフォー 【7810・スタンダード市場】

<クロスフォー×グロースパートナーズ 特別対談>
海外販路という強みを生かし、収益基盤を強化
ハンズオン支援で企業価値向上を目指す

宝石が中央で揺れ続ける特許技術「ダンシングストーン」などを武器に、国内外でジュエリー事業を展開するクロスフォー。海外売上比率は約25%に達し、さらなる成長余地を見据える同社は2025年、グロースパートナーズとの資本業務提携を実施した。独自技術と海外販路という強みを生かしながら、外部の知見を取り入れて企業価値向上を目指す。その狙いと成長戦略について、クロスフォーの内藤彰彦社長とグロースパートナーズの古川徳厚氏に聞いた。

クロスフォー
内藤 彰彦社長
Profile◉ないとう・あきひこ
1971年生まれ。90年株式会社中央物産入社。92年、株式会社シバド(現・株式会社クロスフォー)入社。営業部長や専務取締役などを経て、2017年Crossfor H. K. Ltd取締役(現任)。その後、中国やタイ・インドなどのグループ企業の取締役に就任。25年10月、株式会社クロスフォ―代表取締役社長(現任)。
グロースパートナーズ
古川 徳厚代表取締役
Profile◉ふるかわ・のりあつ
1981年生まれ。2007年マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン入社。10年アドバンテッジパートナーズ有限責任事業組合(現・株式会社アドバンテッジパートナーズ)入社。複数企業の社外取締役などを経験し、22年グロースパートナーズ株式会社 代表取締役(現任)。

海外販路と独自技術が生む成長余地

──まず、クロスフォーの強みをどのように捉えていますか。
内藤 当社の強みは、大きく二つあります。一つは海外販路を広く持っていること。もう一つは、ダンシングストーンをはじめとする独自技術を有していることです。

ダンシングストーンは、石そのものが揺れ続けて輝きを放つ特許技術で、当社を代表する商品として国内外で展開しています。現在は海外売上比率が約25%ですが、まだまだ伸ばせる余地があると考えています。

実際、当社のパーツを採用した製品は、インドのジュエリーメーカーを経由して米国市場でも販売されています。直接取引ではありませんが、世界的な大手小売チェーンで取り扱われる商品の一部にも当社技術が採用されており、海外市場で一定の評価をいただいています。この販路と独自技術こそが、今後の成長を支える最大の強みだと考えています。

成長戦略を支える資本業務提携、その狙いとは

──グロースパートナーズとの資本業務提携を決断された背景を教えてください。
内藤 会社をさらに成長させるには、資金だけでなく、これまで当社になかった経営ノウハウが必要だと考えました。当社は地金を現金で仕入れ、商品化した後は掛け売りになります。そのため、売上が伸びるほど仕入れ資金を先に用意しなければならず、運転資金も増えていく事業構造です。海外展開をさらに加速するためにも、まずは国内事業の収益力を高め、安定的にキャッシュを生み出せる体質へ変えていく必要がありました。

加えて、人材採用や生産効率の向上、M&A、IRなど、今後の成長に欠かせないテーマについては、社内だけでは十分な知見がありませんでした。そうした中で、資金面だけでなく、現場に入り込みながら経営改善まで伴走していただけるグロースパートナーズは、当社にとって非常に魅力的な存在でした。

──クロスフォーとの提携を決断された理由と、同社の企業価値についてどのような可能性を見出されたのか、お聞かせください。
古川 私たちが最初に注目したのも、まさに今、内藤社長がお話しされた海外販路と独自技術です。海外進出をゼロから支援する場合は、拠点開設や販路構築に時間がかかります。しかしクロスフォー様は、すでに海外事業の基盤と実績を持っていました。その強みをさらに伸ばすほうが、短期間で企業価値向上につながると考えたのです。

また、独自技術という差別化要因を持っていることも大きな魅力でした。価格競争だけに巻き込まれない競争力があり、海外市場という大きな成長余地もある。私たちはそうした可能性を踏まえ、5カ年の事業計画を何度も議論しながら作り込みました。海外事業の比率が高まれば収益性もさらに向上するでしょうし、将来的にはM&Aも組み合わせることで、企業価値をより大きく高められると考えています。

現場に入り込み、会社の「勝ち筋」をつくる

──提携後は、どのような取り組みを進めているのでしょうか。
古川 まず社員の方々、約20名に個別インタビューを実施し、課題を整理しました。その結果、「収益性向上」「在庫適正化」「採用」「EC・M&A」の4つを重点テーマに設定し、現在は月2回のプロジェクト会議と月1回の全体レビューを行っています。
私たちが重視しているのは、資料を見て助言するだけではなく、現場に入り込むハンズオン型の支援です。営業にも同行しますし、実際の業務を見ながら改善策を一緒に考えていきます。

特にBtoB企業では、営業担当者が「売上をつくること」を優先するあまり、利益率が下がってしまうケースが少なくありません。これは私たちが支援してきたオフィス家具メーカーや紳士服チェーンなどでも共通していた課題です。

そこで商品別・顧客別の粗利をマトリックスで可視化し、「どの商品を、どのお客様に、どの価格で販売すると利益が出るのか」を分析しています。価格設定や営業評価の見直しも含め、「売上重視」から「利益重視」へ組織全体の意識を変えていくことが重要だと考えています。

内藤 最初は現場も「値上げしたら売れなくなる」という考え方でした。私も以前から利益率を意識するように話していましたが、なかなか浸透しませんでした。

ところが最近は、「どうしたら利益率を上げられるか」「この商品ならこう売れるのではないか」と、社員の方から改善案が出るようになっています。今日の会議でもそうでしたが、自分たちで考えて行動しようという段階まで来ていると感じています。

ノウハウを会社に残し、自走できる組織へ

──今回の提携で最も期待していること、そして今後の成長戦略についてお聞かせください。
古川 私たちが目指しているのは、支援期間中だけ成果を出すことではありません。分析手法やプロジェクトの進め方、M&Aの考え方などを会社の財産として残し、私たちが離れた後も社員の皆さんが自らPDCAを回し、継続的に成長できる組織になっていただきたいと考えています。

内藤 当社には、まだ大きな成長余地があります。海外市場でいえば、これまではインドのメーカーを通じてダンシングストーンのパーツを供給する形が中心でしたが、今後はその実績を生かしながら、完成品や半製品で米国の中堅ジュエリーチェーンへ直接提案する取り組みも始めています。米国出張では、従来の約3倍となる受注を獲得するなど、確かな手応えも得られました。

ただ、その成長を支えるには、まず国内事業の足場を固めなければなりません。営業改革や在庫適正化によって収益力を高め、その利益を海外投資へ回す。この好循環をつくることが、私たちの成長戦略です。

そのために今回の提携で最も期待しているのが、ノウハウを社内に定着させることです。単に業績を改善するだけではなく、外部の知見を自社の力へと変え、社員一人ひとりが自ら課題を見つけ、改善を続けられる組織をつくりたいと考えています。社員が成長しなければ、会社も成長しません。支援が終わった後も自走できる組織を育てることこそ、今回の資本業務提携で得たい最大の成果だと考えています。

クロスフォー

代表者:内藤彰彦
所在地:山梨県甲府市国母7-11-4
設立:1987年8月
事業内容:ジュエリー・アクセサリーの製造・輸入・販売

https://crossfor.co.jp/

グロースパートナーズ

代表者:古川徳厚
所在地:東京都目黒区自由が丘2-16-12 RJ3
設立:2022年7月
事業内容:投資及びハンズオン支援事業サービスを提供するファンド

https://www.growthpartner.co.jp/

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