倉庫保管だけではない
中央倉庫の役割
「お客様のサプライチェーンを止めないことが、我々の大きな社会的役割です」(田口忠夫取締役常務執行役員)
一般には「倉庫会社」として認識されることが多い同社。しかし、その役割は保管業務にとどまらない。海外からの原材料調達を起点に、輸入・通関、保管、輸送、納入、さらには設備の搬入・据付までを担い、あるいは梱包・輸出といった顧客のサプライチェーン全体を支えている。
顧客ごとに異なる物流ニーズに応えながら、モノの流れを途切れさせない体制を構築。中央倉庫は、サプライチェーンを支える物流機能を一気通貫で提供することで、社会や産業を下支えしている。
社会を支える“止められない物流”
「物流が止まれば、お客様の商売も止まる。だからこそ、我々は『止めない物流』にこだわっているのです」(同氏)
近年特に注力しているのが、輸入化学品分野だ。国内では工場の老朽化や人材不足などを背景に、基礎化学品の生産を縮小する動きが広がっている。一方で、こうした原材料はあらゆるモノづくりに欠かせず、輸入需要は拡大。同社は10年以上前からこの分野に取り組み、大手商社と連携しながら供給網を支えてきた。近年は中東情勢の緊迫化に伴い、ホルムズ海峡を巡る物流リスクも高まっている。同社は商社と協力しながら代替ルートの活用を進めるなど、安定供給を支援している。
また、電子部品分野では、製造装置の輸送だけでなく、工場への搬入や据付までを担当。生産設備の稼働を支える機工サービスは同社の強みの一つであり、産業機械や自動化設備など幅広い機器に対応している。さらに、PET樹脂物流では国内で高いシェアを持つ。回収・再資源化から再生品の供給までを手掛けるなど、物流の枠を超えて循環型社会の実現にも取り組んでいる。
災害時に実感した
物流企業としての責任
中央倉庫が掲げる「止めない物流」は、単なるスローガンではない。過去の災害時では被災地へ必要物資配送の要請が寄せられたという。供給が止まれば、被災地における生活者の暮らしに影響が及ぶ。
「被災地へ必要物資を届けるために、現場は懸命に復旧活動に取り組みました。あの時、サプライチェーンの一員としての責任を強く実感しました」(同氏)
食品関連素材や医療関連機器など、人々の暮らしや命を支える製品を扱う同社にとって、物流を止めることはできない。そのため同社では、「止めない物流」を実現するための備えにも力を入れる。停電に備えたバックアップ電源の導入や、GPSによる車両管理、複数輸送ルートの確保など、平時からBCP対応を強化している。
顧客とともに進化する
プロフェッショナル集団
「当社を選んでいただける理由は、お客様がやってほしいと思うことを、我々も共有しているからだと思います」(同氏)
同社では、顧客との対話を通じて得た知見を新たなサービスへとつなげてきた。化学品や食品、医療、電子部品など幅広い分野に事業領域を広げてきた背景にも、顧客の課題に向き合い続けてきた姿勢がある。そこで得た知見を他分野へ横展開することで、新たな事業機会の創出にもつなげている。こうした事業展開の原点にあるのは、顧客の商売を止めないという思いだ。
「物流はコストではなく、社会インフラです」(同氏)
その使命感こそが、中央倉庫の成長を支えてきた原動力でもある。顧客のサプライチェーンを支える物流のプロフェッショナル集団として、同社はこれからも“止めない物流”を追求していく。
中央倉庫
本社所在地:京都市下京区
設立:1927年
[事業内容]
●倉庫業、貨物運送業、通関業
●梱包業ならびに包装資材の加工・販売業
●不動産の売買・賃貸・仲介および管理業
●損害保険代理業









