自動車運転の事故リスクや疲労を軽減
「みえないものをみえるようにする」
日本精機では、世界シェアが約3割のヘッドアップディスプレイ(HUD)を成長の柱に位置付けており、同製品単体の売上収益は577億円(2025年3月期)と全社売上の2割近くを占める。
HUDとは、車速やナビゲーションといった運転に必要な情報を、フロントガラス越しの風景に重ね合わせるように投影するシステムである。ドライバーは前方を向いたまま直感的に情報を確認できるため、メーターへ視線を落とすことによる事故リスクや疲労を軽減できる。安全運転をサポートする先進的デバイスとして1990年代から欧米メーカーで採用が始まり、今や世界標準の装備へと定着しつつある。
同社の2025年3月期業績は、売上収益が3163億円、営業利益が95億円。地域別売上収益は日本39%、アジア25%、米州28%、欧州8%で、海外売上比率が61%を占める。
製品別に見ると、四輪車・二輪車用の計器やHUD、各種センサーなどの製造・販売を行う「車載部品事業」が売上収益の82%を占める。同4%の「民生部品事業」ではOA・情報機器操作パネルや空調・住設機器コントローラーを、同3%の「樹脂コンパウンド事業」では高機能樹脂材料を製造・販売。また同8%の「自動車販売事業」では、新潟県内を中心に新車・中古車の販売や車検・整備などのサービスを展開する。
同社では24年に新たな企業理念体系を制定した。事業の根底には、「安心と感動に満ちた世界と未来をつくります」というパーパス、そして「みえないものをみえるようにします」というミッションがある。
「パーパスには、当社の主力である車載計器やHUDを通じて車の安全・安心に貢献し、また先進的な表示技術で人に感動を与えたいという想いを込めています。ミッションの『みえないものをみえるようにします』は、創業以来ずっと持っていた価値観で、社内の色々なところで使われてきた言葉です。スピードなどの直接見えないものをセンシングして数字に直し、表示で伝えることで、人と社会の安全を支えていくこと。それこそが我々の事業の核心なのです」(永野恵一社長)
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