ソディック×アドバンテッジパートナーズ 特別対談 ソディック 【6143・プライム市場】

ハイエンド放電加工機の世界トップ企業
100億円の資金調達と事業提携で目指す、企業価値向上

ハイエンド放電加工機で世界首位級のシェアを誇り、幅広い工作・産業・食品機械で世界のものづくりを支えるソディック。2025年、同社はさらなる企業価値向上と成長戦略の加速を目指し、アドバンテッジパートナーズとの事業提携および100億円の資金調達を発表した。長年培ってきた技術力に、「経営のプロ」の知見を掛け合わせ、「グローバル・ソリューション提供・高付加価値化」を追求していく。本稿では、ソディックの圷祐次社長と、アドバンテッジパートナーズの小林建治氏による対談を通じ、同社の次なる成長軌道に迫る。

株式会社ソディック
圷 祐次社長
(あくつ・ゆうじ)1964年生まれ。87年ソディック入社。米国Sodick, Inc.にて取締役副社長、取締役社長を歴任。ソディックでは工作機械事業の要職や取締役COO副社長執行役員を経て、2025年に代表取締役 CEO 社長執行役員に就任(現任)。
株式会社アドバンテッジパートナーズ
小林 建治プリシンパル
(こばやし・けんじ)BCG等を経て、2020年にアドバンテッジパートナーズへ入社。以降、幅広い投資先企業の企業価値向上に向け、各種施策の立案・実行を支援。

ソディックの企業価値の源泉

─改めて、ソディックはどのような価値を提供する企業でしょうか。

圷社長 当社の社名は「創造、実行、苦労・克服」という社是に由来しています。イノベーションで世の中のものづくりに貢献すべく、放電加工機からスタートし、マシニングセンタや金属3Dプリンタなどの工作機械、射出成形機などの産業機械、食品機械へと、世界の製造業に貢献できるラインナップを揃えてきました。超精密部品や金型の加工から欧米の航空・宇宙・エネルギー産業向けまで、多様なニーズに対応可能です。

─御社の原点と、グローバル競争力の源泉についてお聞かせください。

圷社長 創業者の「世の中にないものは自分たちで創る」という発想が原点です。世界で初めてのマイクロ・コンピュータ付きNC形彫り放電加工機による数値制御の実現は、職人の手作業に頼っていた金型加工を劇的に効率化しました。顧客の課題や声を受けて製品をブラッシュアップし続ける開発姿勢は今も受け継がれています。

グローバルでは「ローカライズ」を徹底し、工場・販社ともに現地人材が中心を担う体制を構築してきました。特に営業は現地の言語・文化・商習慣に精通していないと機能しません。各国のローカル企業のニーズに正面から応えてきたことが、世界トップクラスのシェア・海外売上比率約7割というポジションにつながっています。

近年の経営課題

─近年の経営課題に、どのように対応されてきましたか。

圷社長 これまでは業績が好調な中華圏への依存度が高くなっていました。2023年からは全体的な構造改革を断行し、中国依存からの脱却や、生産拠点の最適化やスリム化、国内でのDX化などに取り組んできました。

─現在はどのような経営フェーズにあるとお考えでしょうか。

圷社長 採算改善フェーズを経て、いよいよ成長フェーズへの転換期に入りました。これまでのローリング式の経営計画を改め、2029年12月期に売上高1000億円、営業利益率10%、PBR1倍以上、ROE8%以上という数値目標を掲げています。

資本提携の背景と狙い

─アドバンテッジパートナーズから100億円の資金調達を実施した背景と、経営支援への期待についてお聞かせください。

圷社長 技術で成長してきた当社ですが、次のフェーズに進む上で「経営のプロフェッショナル」の視点が欠けていると感じていました。単なる資金調達ではなく、企業価値向上に向けた取り組みを共に推進するパートナーとして、知見を持つアドバンテッジパートナーズの力をお借りしたいと考えました。

─ソディックへの投資を決定された背景と、同社の企業価値についてどのような可能性を見出されたのか、お聞かせください。

小林氏 ソディックはハイエンド市場で圧倒的に高い競争力を持っています。一方、収益管理や事業・地域別のKPI管理、経営課題の部門横断的な整理といった面では改善の余地があり、我々が入ることによって企業価値をさらに高めることができるのではないかと強く感じました。

─上場企業への成長支援投資において、どのような形で企業価値向上を支援されているのでしょうか。

小林氏 5~10年後のあるべき姿を描き、逆算した上で成長ドライバーを特定してプロジェクトを組成します。各プロジェクトでKPI・KGIを設定し、週次・隔週・月次でPDCAを回しています。現在ソディックでは複数のプロジェクトが並走しており、プロジェクトのキーワードは「グローバル」「LTV(顧客生涯価値)思考のソリューション提供」「各インダストリー別での高付加価値転換」の3つです。例えばソリューション提供では1月からトライアルを開始し、顧客側メリットも定量分析しながらソディックの意思決定をサポートしています。

企業価値向上に向けた取り組み

─企業価値向上に向けてどのような取り組みを進めていく方針ですか。

圷社長 注力エリア拡大による、さらなるグローバル化が柱と考えます。今年はインドにテクニカルセンターを新たに設置するとともに、米国Sodick, Inc.の事務所移転、欧州ではAltForm社の工場移転を予定しています。また現状の工作機械事業のアフター関連の売上構成比は25%程度ですが、世界で稼働する機械が増えるほどアフターサービス需要が生まれますので、伸びしろはあると考えています。さらに、金属3Dプリンタやレーザー加工機、マシニングセンタなど、先端領域の成長も欠かせません。

小林氏 予算管理や需給予測、在庫の適正化など、経営管理の強化には昨年から着手しています。並行して海外販社や代理店のマネジメント強化にも力を入れており、LTV(顧客生涯価値)を最大化するため、販売部門とソリューション部門を分断しない組織設計やインセンティブ設計も進行中です。新事業創造や成長加速に必要なM&Aも、重要な選択肢として視野に入れています。

─今回の提携で、どのような変化が生まれていくとお考えでしょうか。

小林氏 大切にしているのは「後戻りしない経営」です。課題を数値・事実に基づいて決定し即実行する。部分最適ではなく全社最適で動く。この仕組みをソディックの中で根付かせることで、成功の再現性が生まれると考えています。

圷社長 プロジェクトを通じて、社員は今まで持っていなかった視点を着実に吸収しています。数年後にアドバンテッジパートナーズが抜けた後も自走できる組織への変化。それが、提携がもたらす最大の成果と考えます。

─今後の展望と、株主・投資家の皆様へのメッセージをお聞かせください。

圷社長 グローバル企業としてさらなる進化を遂げたいと考えています。AIやロボットの台頭により世界中でものづくり領域が拡大していますが、この波に確実に乗り、ラインナップをさらに充実させたいです。また先ほど申し上げた数値目標達成に向けて、まい進してまいります。株主・投資家の皆様にはぜひ、当社の変化と成長を見届けていただきたいです。

ソディック(6143・P)

設立:1976年8月(創業1971年2月)

事業内容:
工作機械(放電加工機、マシニングセンタ、金属3Dプリンタ)、
射出成形機、食品機械などの開発・製造・販売展開

本社所在地:神奈川県横浜市 都筑区仲町台3-12-1

https://www.sodick.co.jp/

アドバンテッジパートナーズ

設立:1992年12月

事業内容:経営コンサルタント業

本社所在地:東京都港区虎ノ門4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス17階

https://www.advantagepartners.com/

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