4つの成長戦略で「新生NOBLE」への変革を加速
同社は従来の電子部品メーカーから、社会課題を解決する高付加価値ソリューション企業への進化を本格化させる。今中期経営計画では、「既存領域の拡大」「顧客ニーズを捉えた新製品展開」「新領域の確立」「組織力の強化」の4つを柱に掲げる。
従来の抵抗器メーカーという枠を超え、自動車、医療、IoT、環境分野へ事業領域を広げることで、持続的な利益成長を実現していく考え。
「既存領域の拡大」では、約80年にわたり培ってきた技術や生産体制を武器に、高付加価値製品へのシフトを加速する。車載HVAC向けポジションセンサや各種モジュール製品を拡充するとともに、AIデータセンター向け通信インフラや医療機器など成長市場への提案を強化する。
また、海外販社と国内開発・生産拠点の連携を深め、海外市場の開拓を積極化。2030年度には海外売上高を2025年度比10%以上伸ばし、車載HVACでは世界シェアのさらなる拡大を目指す。
顧客とともに開発する“共創型メーカー”へ
一方、「顧客ニーズを捉えた新製品展開」では、自動車の電動化や電子機器の高機能化を背景に、車載静電容量式スイッチやxEV向け固定抵抗器、二輪向けサスペンションセンサ、電子楽器向けタッチセンサなど、次世代製品の開発を推進する。
同社の強みは、単に部品を供給するのではなく、製品設計の段階から顧客と共同で仕様を作り込み、量産まで一貫して対応できることにある。こうした「共創型開発」をさらに進化させることで、高い参入障壁を築き、価格競争に左右されにくい事業構造を構築していく。
医療・IoTが次の収益の柱へ
今中計で大きなポイントとなるのが「新領域の確立」だ。同社は、これまで培ってきた印刷技術やエレメント技術を応用し、電気化学センサやIoTセンサを新たな収益の柱へ育成する。なかでも、高血圧の予防につながるナトカリセンサは、健康経営や予防医療市場への展開を視野に入れ、研究開発を推進する。
一方、水漏れを検知する漏水センサは2026年度からテスト販売を開始し、2027年頃の事業化を予定。従来の電子部品販売とは異なり、サブスクリプション型サービスとして提供することで、継続的な収益を生み出す新しいビジネスモデルへの挑戦でもある。
このほか、RFIDや屋内UWBなどIoT関連技術の研究開発も進め、社会課題を起点とした新市場の創出を目指す。
積極投資と資本効率向上を両立
同社の成長戦略を支えるのが積極的な投資と財務改革だ。5年間で約128億円を設備投資に充て、新本社・研究開発棟や最新生産設備を整備する一方、現預金や政策保有株式を圧縮し、資本効率を改善。株主還元についてもDOE5%を目安とする新方針を導入し、中計当初3年間で15億円の自己株式取得を予定するなど、成長投資と株主還元を両立する。








