社内資格制度で実践的教育
代表的な取り組みが、独自の社内資格制度「プリンターエキスパート資格(PX資格)」だ。この資格は、プリンターに関する幅広い知識と専門性を身に付けることを目的としており、自社工場を保有する強みを生かした実践的な教育制度となっている。
資格取得に向けた研修では、工場現場と連携しながらプリンターの構造や印字メカニズムなどを体系的に学ぶことができる。資格取得者はプリンター内部の状態や印字品質から状況を分析し、高品質な印刷性能を維持するための適切なメンテナンスを実施するだけでなく、顧客の業種や利用環境に応じて最適なプリンター、リユーストナー、用紙を提案することが可能になる。
この研修は単なる営業知識の習得に止まらない。顧客が抱える課題を把握し、プリンターやリユーストナーを起点とした業務効率化やコスト削減につながるソリューションを提供できるようになることで、長期的な信頼関係の構築につながっているのだ。
また、同社は人材育成だけでなく、社員が能力を最大限発揮できる職場環境づくりにも積極的に取り組んでいる。知識・スキルの向上に向けた教育制度を整備するとともに、育児や介護、地域活動などと仕事を両立しやすい環境づくりを推進してきた。その取り組みは、「名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業」や「あいち女性輝きカンパニー」、「愛知県ファミリーフレンドリー企業」といった認証取得にも表れている。
近年は、「働きがいのある会社づくり」をテーマに掲げた社員エンゲージメント委員会を発足。同委員会は、社員自らが課題を見つけ、改善策を考え、実行する社員主体の組織だ。
障がい者の施設外就労受け入れ
同社事業を支える基盤づくりは、事業現場を通じた社外との連携へも拡大。
長野県の駒ヶ根工場では、2008年から地域の福祉施設と連携し、障がい者の施設外就労を受け入れている。
工場内では、リユーストナー製造工程でのカートリッジ部品の清掃作業などを担っており、本業と直結した実践的な就労機会を生み出している。
一方、2025年にグループ入りした就労継続支援A型事業所「じぶんスペース」とも連携を推進。同事業所は、ホームページ制作やECサイト運営、動画編集などIT分野を中心とした業務を受託し、スキル習得と就労実績の蓄積を通じて一般就職を支援するとともに、就職後の定着も見据えたフォローを行っている。さらに、リユースリボンやリユースインクを製造する春日井工場では、2026年春よりじぶんスペースの施設外就労の受け入れを開始。多様な人材に合わせた環境づくりは、結果として現場全体の働きやすさを底上げしている。
事業活動と社会的価値の創出
ケイティケイのこうした活動は、単なる社会貢献ではない。本業と接続した仕事を通じて、多様な人材が能力を発揮できる機会を提供し、事業活動と社会的価値の創出を両立させる取り組みなのだ。
環境価値を生むビジネスを通じて、人材を育て、社員が活躍できる組織文化を築き、さらに事業に関わる人の裾野を広げていく。こうした一つひとつの積み重ねが、ケイティケイの持続的な成長を支える基盤となっている。









