
| 賃貸管理課 次長 斎藤 剛氏 さいとう・たけし不動産会社での賃貸仲介営業および賃貸管理会社での管理業務全般を経験後、2011年に同社入社。現在は賃貸管理部門の責任者として、リーシング戦略の立案からオーナーへの運用提案まで幅広く担う。オーナーとの長期的な信頼関係の構築と安定運用の実現に注力している。 |
建物管理事業子会社(デュアルタップコミュニティ) 代表 池田 秀人氏 いけだ・ひでと大手マンション管理会社にて、建物管理業務全般に従事した後、2017年に同社入社。同年、子会社 株式会社デュアルタップコミュニティを設立し取締役に就任。2020年に同社代表取締役に就任。建物管理部門の責任者として、管理組合対応から修繕計画、工事提案までを統括している。 |
取締役 開発事業部長 藤村 由美氏 ふじむら・ゆみ1996年、不動産売買・仲介会社に入社。営業責任者として新規事業子会社の立ち上げや不動産の仕入・開発業務を担当。2008年に同社入社。自社マンションブランド「XEBEC(ジーベック)」を立ち上げ、用地仕入れおよびマンション開発事業に従事。2016年より取締役(現任)。 |
取締役 経営企画室長 大野 慎也氏 おおの・しんや2002年よりオリックス株式会社にて法人融資部門・投資銀行部門・リスク管理部門・船舶投融資部門等を担当。2020年からオリックス自動車株式会社へ出向し、社長室にて中長期戦略の策定および戦略実現にむけた新規プロジェクトを複数担当。 2024年に同社入社。取締役 経営企画室長就任(現任)。 |
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海外事業子会社 代表 (デュアルタップビルディングマネジメント) 藤田 直人氏 ふじた・なおと 2014年、同社入社。マレーシアにおける建物管理事業の立ち上げに参画し、現地法人の基盤構築を主導。現在はマレーシア現地責任者として、管理運営を統括。現地の制度・文化に適応したオペレーション構築を推進し、海外における新たな管理モデルの確立に取り組んでいる。 |
─20年の歩みの中で、各事業部門はどのような役割を担ってきましたか。
藤村 私たちの部署は、デュアルタップの不動産事業の起点となる役割を担っています。土地を仕入れ、建物を企画・開発し、それを販売する、いわば事業のスタート地点です。20年の歩みの中でも一貫して大切にしてきたのは、資産価値を長期的に守る物件づくりです。オーナーは少しでも利回りを高めたい、入居者はできるだけ良い住まいに安く住みたいという思いがある。その両方を意識しながら、将来的にも価値が落ちにくい立地や品質を重視してきました。目先だけでなく、長期的な資産価値を見据えた開発を行うことが私たちの役割です。
斎藤 賃貸管理は、オーナーからお預かりした物件を管理し、収益を最大化する役割です。入居者募集や契約管理、賃料設定などを行いながら、長く住んでもらえる環境を整えています。オーナーの利益と入居者の満足は、時に相反することもあります。賃料を高く設定しすぎると入居者が集まりにくくなるため、市場相場を踏まえた適切な提案が重要です。当社は開発から管理までグループで関わっているため、物件特性や周辺市場を踏まえた提案ができる点が強みです。オーナーに長く保有していただけるよう、運用面から資産価値を支えていく役割を担っています。
池田 建物管理では、物件の維持管理を担っています。分譲マンションではオーナーは管理組合となるため、そのパートナーとして建物の価値を守る立場。長期修繕計画や資金計画を立て、適切なタイミングで工事を行うことが重要です。当社は、開発会社グループとして物件の設計や設備の特徴を理解した上で管理に関わることができる点も強みです。長年この仕事に携わってきた社員も多く、入居者対応や設備トラブルなどの現場課題にも柔軟に対応しながら、建物の価値を長く維持していくことを意識しています。
藤田 海外事業は2012年にスタートし、当初はマレーシアやタイの不動産を日本の投資家に紹介する事業を行っていました。その後、マレーシアで建物管理会社を設立し、現在は現地のコンドミニアムやゲーテッドコミュニティの管理を中心に事業を展開しています。国内とは異なる市場環境ではありますが、海外での事業展開を通じて、グループの事業領域を広げ、新たな経験やノウハウを蓄積していく役割です。
大野 経営企画は、会社の方向性や経営の考えを事業として具体化していく役割です。当社のビジネスは、仕入れ・開発・販売というフロー型の事業を起点に、賃貸管理や建物管理によって資産価値を維持し、その実績が次の案件の信頼につながる循環型の構造になっています。その循環がより安定して回るよう資源配分やリスク管理を行い、組織全体を支えています。経営企画は、目立つことではなく、この循環を止めないこと。強みを活かし、新しい事業機会を探っていくことだと考えています。
─現在の課題と、次の20年に向けた方向性について教えてください。
藤村 現在の市場環境を見ると、土地価格や建築費の高騰が続いています。不動産価格は上昇していますが、それがこの先も続くとは限りません。少子高齢化や為替など外部環境の変化も大きく、将来を正確に読むことは難しい中で、安定した売上をつくり続けていく必要があります。
また、投資用不動産の市場も変化しています。これまでワンルームマンション投資は個人投資家を中心に広がってきましたが、個人の可処分所得には限界があります。今後は法人など新たな投資主体も視野に入れていく必要があります。さらに、特定の商品に固執するのではなく、市場の変化に応じて柔軟に事業の可能性を広げていくことが重要だと考えています。
斎藤 現在は賃料が上昇傾向にあり、貸し手市場の状況です。ただ、この状況が続くとは限りません。オーナーに長く物件を保有していただくことが重要であり、信頼関係を築きながら安定した管理サービスを提供していくことが課題です。
池田 日本には700万戸以上の分譲マンションがあり、市場が大きい一方で、老朽化や居住者の高齢化といった課題も増えています。こうした環境下ではまず管理物件数の拡大が重要です。他社からの切り替えやM&Aなどを通じて物件数を増やしつつ、それを支える人材の確保と育成が欠かせません。
藤田 マレーシアでは日本とは違い、契約が1年更新のため、価格競争にさらされやすく、収益性の確保が課題です。そのため建物管理に加えて補修工事などの関連事業にも取り組み、1物件あたりの収益向上を図っています。
大野 この20年で事業基盤やノウハウは着実に積み上がりましたが、外部環境の不確実性は高まっています。今後は商品力の向上に加え、IoTやAIといったテクノロジー活用や海外展開も含め、フローとストックのバランスを高め、安定した事業基盤を構築していきます。その上で投資判断の精度を高めながら、持続的な成長につなげていく考えです。
─次の20年をどのように見据えていますか。
藤村 この20年で不動産の価値観は大きく変わりました。かつて「マンションは買えば値下がりする」と言われていましたが、いまでは資産形成の手段として捉えられるようになりました。環境や投資の価値観は今後も変化していきます。だからこそ特定の商品や手法に固執せず、その時代に求められる価値を見極めていくことが重要です。不動産を通じて長期的に安心できる資産形成の選択肢を提供する。その姿勢はこれからも変わりません。変化の中から新たな価値を見つけ、育てていきたいと考えています。
─不動産開発を起点に、賃貸管理や建物管理が資産価値を支え、その実績が次の事業につながる。各部門が役割を磨きながら変化に対応していく。その積み重ねが、同社の次の20年を形づくっていく。









