水専業コンサルティングで国内トップ級 日水コン 【261A・スタンダード市場】

水インフラを支える縁の下の力持ち
採用強化で需要を逃さず継続成長へ

日水コンは、建設コンサルタントの中でも水関連に特化し、上下水道などインフラの計画、設計、維持管理などを展開する。1959年の設立以来、60年以上にわたり中央官庁や地方公共団体向けに多くの業務を担当してきた。2024年10月にはスタンダード市場に上場。インフラ老朽化や国土強靱化政策を背景として増加する需要に対応し、事業拡大をはかる。
日水コン-中西 新二

中西 新二(なかにし・しんじ)

社長

1960年生まれ、佐賀県出身。85年佐賀大学大学院修了後、日水コンに入社。2021年取締役執行役員地域統括本部長兼東部統括部長。22年取締役常務執行役員地域統括本部長兼東部統括部長。23年取締役常務執行役員地域統括本部長。25年代表取締役社長に就任(現任)、公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会会長(現任)。

上下水道コンサルの草分け
受注環境は良好状態が続く

人口比約7割で実績持つ

同社は「水コンサルタント」として、主に上下水道事業、河川事業に関する業務に特化。事前調査、構想、計画、設計、工事監理、維持管理といったサービスを一貫して提供している点に強みを持つ。

一般的に地方公共団体の水道を整備するには、まず対象地域の人口予測をもとに将来使用される水の量を割り出す。それに基づいて取水する水源を決め、浄水所や、各戸に配水するための配水池などの施設を作ることになる。

▲日水コンが設計・工事監理を担当した「沖縄県企業局石川浄水場」。中西社長が当時設計を担当した

同社のビジネスは水源から給水地域までの調査を行い、水道整備や更新を計画したうえで、管路、浄水場や配水池などを設計する。

▲3D設計/砂防堰堤完成イメージ

その後、地方公共団体は同社の設計をもとに、建設会社や機械メーカー、電機メーカーなどに工事を発注して施設の建設や配管の布設を行う。同社はそのプロセスで工事監理を務めるとともに、完工後は施設・設備の老朽化調査や修繕・更新などの維持管理に関わる。

「子会社に水質検査専門の企業を持ち、浄水場や下水処理場の水処理まで手掛けています。現在問題となっているPFAS(有機フッ素化合物)への対応も行っており、評価をしていただいています」(中西新二社長)

同社は水コンサルタント会社として国内トップクラスの実績を持つ。

2025年12月期の業績は売上高244億1300万円(前期比3・7%増)、営業利益23億7900万円(同9・3%増)となった。25年12月期の売上割合は、水道35・6%、下水道50・0%、河川その他14・5%。海外でも、JICA(ODA)の業務で東南アジアの上下水道のコンサルを行っており、こちらは年間で売上全体の5~10%を占めている。

売上の95%は、中央官庁や地方公共団体など向けが占めている。すべての都道府県において業務実績があり、市町村で見ると人口比で7割弱、数でいうと約4割の地方公共団体で業務を展開してきた。一方で民間向けの売上は約5%にとどまる。

「当社は大手水コンサルタント会社の中でも水道・工業用水道、下水道、河川、農業分野と幅広い分野を事業領域にしています。創立が1950年代と古いこともあり、各事業体とのお付き合いが長く、信頼していただいています。国家資格である技術士保有者が延べ520人在籍。技術士は質の高いコンサルの基盤となる人材で、多くの技術知見を持ち幅広い業務に対応できるのも当社の強みとなっています」(同氏)

老朽化が進行する水道管

▲AIによる画像判定で異常を検知した様子

同社の業績は拡大傾向にある。26年12月期の売上高は249億円と、過去最高を更新予想。今後も同社にとって良好な受注環境が継続すると見込まれる。

今や水道管の老朽化は社会課題となり、国内では法定耐用年数を超えた水道管路が約17万キロメートル、標準耐用年数超の下水道管路が約4万キロメートルあるともいわれる。また下水道起因の道路陥没事故は、22年だけで約2600件発生している。更に政府の国土強靱化計画では、老朽化する上下水道や道路の耐震化などに、26年度以降の5年間で 10兆6000億円程度を投じる計画だ。

このような背景のもと、多くの案件が計画・進行中で、同社はもちろん、NJS(2325)などの水コンサルタント各社は、常に多くの仕事を抱えている。同社では、人手不足で応札できなかった事業も複数あるという。社内で講習会や勉強会を開催して、更なる人材育成にも注力している。

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