“LCC型”の独自方式で
IT分野展示会が急成長
同社は現在、介護分野とIT分野に特化した2大イベントで全体売上の約半分を稼ぎ出している。全国展開で開催しているこれら展示会では年々、出展企業及び小間数が伸びており、前期実績ではトータル5254小間に達している。これは5年前の約3倍の数字だ。
特に近年の急成長をけん引しているのが、IT分野向けの「DXPO」だ。22年8月にスタートしてまだ4年目だが、25年3月期は東京、大阪、福岡などで年間4回の開催実績で、出展小間数は3135小間に達した。26年3月期は名古屋、横浜も加えて年6回の開催だ。
東京ビッグサイトや幕張メッセなど、各地の展示会場で開催されている様々なプロ向け展示会の中でも、IT分野の展示会は、自動車やエレクトロニクス分野と並んで大規模のものが多く、競合企業のイベントの数も多い。その点、同社はこの分野では後発だが、短期間に一気にトップクラスの規模まで伸ばして来た。その急成長を可能にしたのが、新村社長が言う“LCC型”の開催方式だ。
「本来、展示会の魅力は何かと言えば、ベンチャーとか中小の新しい会社で、キラリと光るような商品、サービスを持っている企業と出会えること。しかし、展示会の出展料は結構高くて、そうした資金力のない会社には参加しづらい。そこで、色々知恵を絞った末、考え出したのが、航空会社のLCCと同じコンセプトのローコストで運営するイベント方式です」(新村祐三社長)
通常、こうした展示会に出展する企業は概ね10~100㎡、大きくなると数百㎡分のスペースを数日分借り切り、その「出展料」を支払う。さらに専門業者に展示ブースの「装飾」を発注する。これらを合わせると、(装飾費も含めると)かかる費用は安くて100万円程度、多くは数百万円以上に及んでしまう。同社が開発したLCC方式とは、2種の展示会を連続開催。装飾はパッケージ型のものを居抜きでそのまま利用する。これによって出展にかかるコストを大幅に圧縮する。
主催者である同社は会場を約1週間借り、月曜を搬入日にしてパッケージのブースを全部組み立てる。そして、前半展示会の出展者にそのブースを使ってもらい火水で開催したら、水曜の夕方に、ブースをそのまま壊さず入れ替え、後半展示会の出展者に居抜きで入ってもらう。そして木金で後半展示会を開催する。
「これを“二毛作方式”と呼んでいますが、同じブースを共有して使用するいわば『シェアブース』方式です。このやり方だと出展企業の負担を通常の半分以下に下げることができます。最も安いプランだと、装飾費も込みで27万円台と、この種のイベントとしては破格の低コストを実現しています」(同氏)
この方式はまた、連続開催によって実質的な施設利用料負担や運営コストを削減できるため、主催者である同社にとってもメリットは大きいという。結果、Win─Win型の新展示会として、前述の通りの急成長を遂げることができたのだ。
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