M&Aや介護拡大で過去最高売上も最終赤字に スポーツクラブ事業、低収益施設を整理へ

ルネサンスは2026年3月期、スポーツクラブ会員数増加や介護リハビリ事業の拡大、「楓の風」のM&A効果などにより過去最高売上を達成した一方、大規模な減損処理を実施し最終赤字となった。売上高は649億円、営業利益は15億円、当期純利益は▲21億円となった。背景には、人件費・光熱費・修繕費など固定費上昇があり、特に人件費は前年比10億円超増加するなど、スポーツクラブ事業の高コスト構造が鮮明となった。

決算説明会で望月社長は「事業環境変化、特に社会的なコスト上昇圧力は、現在の当社の事業活動に大きなインパクトを与えることとなり、考え方を転換しない限り収益性の回復は不可能という結論に至った」と説明。従来の「低収益でも施設を維持したい」という発想から転換し、不採算6店舗の退店と38施設の減損を一括処理した。「現時点で把握した将来リスクを排除した」と位置づけ、将来損失を先送りせず整理したうえで、新たな成長局面へ移行する姿勢を明確にした。

これを受け、従来の2024〜27年度中期経営計画を取り下げ、新たに26〜30年度中計を策定。新中計では、①スポーツクラブ事業の収支構造改革、②ホームフィットネス・介護リハビリ事業の成長加速、③本部コスト抑制、④新リース会計を踏まえた財務体質強化、の4本柱を掲げる。

特に象徴的なのが、望月社長による「単に運動する場から生活を豊かにする場への転換」という発言だ。従来の「会員数×会費」依存モデルから脱却し、温浴・ワークスペース・コミュニティ機能などを強化することで、スポーツクラブの存在価値そのものを再定義する方針を示した。同時に、DX活用による遠隔接客、AI対応、省人化も推進する。

また、介護リハビリ、PPP(官民連携)、企業向け健康支援など非スポーツクラブ領域を拡大し、スポーツクラブ依存からの脱却を進める。30年度は売上高770億円、営業利益35億円、ROE10%を目標とする。

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