アルミ電解コンデンサ用セパレータで世界シェア約6割 ニッポン高度紙工業 【3891・スタンダード市場】

電子部品の安全性や性能を“薄さと強度で支える”
土佐和紙技術を原点にした「高度紙」を開発

ニッポン高度紙工業は、アルミ電解コンデンサ用のセパレータで世界シェア6割を誇るグローバルニッチ企業だ。高知で創業し、「土佐和紙」の製紙技術からスタートした企業で、今も本社は高知に置く。薄くても丈夫な土佐和紙の製紙技術を生かし、薄さと強度を兼ね備えた「高度紙」を開発。電子部品の安全性や性能を左右するセパレータとして製品化に成功し、現在の地位を築いた。「世界に安心を売る会社」という理念のもと、近年では、AIの普及や車載向け電子部品の需要拡大を追い風に業績を伸ばしている。
ニッポン高度紙工業-近森 俊二

近森 俊二(ちかもり・しゅんじ)

社長

1957年5月生まれ。81年、ニッポン高度紙工業に入社。2013年管理本部長、15年取締役、19年営業本部長に就任。21年代表取締役社長 社長執行役員に就任(現任)。

アルミ電解コンデンサ向けの
極薄紙製セパレータ

ニッポン高度紙工業の主力製品「セパレータ」は、アルミ電解コンデンサの内部で電極同士が触れるのを防ぎながら、電気を通す液体(電解液)を保持する重要な役割を担っている。

そもそもアルミ電解コンデンサとは、電気を一時的に蓄えたり放出したりする電子部品で、家電やパソコン、自動車、産業用ロボット、通信設備、AIサーバーなど幅広い機器に使われる。内部にはプラスとマイナスのアルミ箔があり、その間に紙製のセパレータを挟んで何重にも巻いた構造になっている。
そのため、紙は薄いほど有利だが、薄くしすぎると電極同士が接触しやすくなる。薄くても破れにくく、しっかり絶縁し、電解液も保持できる。こうした性能を実現するには、極めて高い製紙技術が必要になる。

コンデンサ自体の大きさは、取り付けられる機器の種類や用途によってまちまちだが、小さいものだと直径1㎜台というものもある。この小さな電子部品の中で何重にも巻かれるセパレータは、厚さにして15~130㎛(マイクロメートル)という極限の薄さだ。ちなみに人の髪の毛の太さは約50~100㎛なので、いかに薄いかがわかる。

近森俊二社長は語る。

「セパレータの役割としては2つあります。1つはプラスマイナスの電極の絶縁、そしてもう1つが、その中に電解液という電気を通す液体を保持することです。そこでどのくらい電気が蓄えられるかというのは、ほぼ面積に比例しますので、できるだけ多くの紙を巻いた方がいいということになる。そのためには、極力薄くなければならないわけです」

この高度な最先端テクノロジーのルーツが、実は、伝統的な和紙製造から始まっているのだという。

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