JFEホールディングスグループ
施工力も持つ総合建設支援企業
重仮設事業が売上の9割
「材工一式受注」強み
同社の主力は「重仮設工事」に向けた事業だ。
建設現場では地面を掘り下げて、地中にしっかりとした基礎を築く必要がある。しかしいきなり土を掘ると土砂が崩れるため、あらかじめ地中に土砂を押さえる鋼製の壁を作ってから地面を掘り下げる。さらに、鋼材を突っ張り棒のようにして、その壁を支える。
これらの工事が重仮設工事で、大きなビルや鉄道、道路などのインフラ建設の際には、欠かせないプロセスのひとつとなっている。使用される鋼板などの資材は役目を終えたら解体し、補修後また次の建設現場で再利用される。
同社は重仮設業界ではトップクラスのシェアを持つ。主な顧客は、スーパーゼネコンを中心とした総合建設会社や地方建設会社だ。
ジェコスはグループ傘下に仮設鋼材の供給(レンタル・販売)、工事の設計・施工、工事中に使われる製品の加工などを担当する子会社を持ち、ワンストップでサービスを提供している。大規模工事が多い首都圏でのシェアが大きいこと、また技術開発などの面でJFEと連携できることが強みだ。
同社は「重仮設事業」と「建設機械事業」の2セグメントで事業を展開している。売上割合は重仮設事業が約9割、建設機械事業が約1割。
重仮設事業は「仮設鋼材」「仮設工事」「鉄構加工・橋梁」の3つの事業分野を持つ。全国に13支店、9営業所、11工場を持ち、幅広いニーズに対応している。
仮設鋼材分野では、重仮設工事に使用するH形鋼や鋼矢板などといった鋼材の、賃貸・販売を行う。仮設工事分野では、重仮設工事の設計や工事を請け負う。
鉄構加工・橋梁分野では、鉄道や道路工事、シールド工事の際に使用する鋼構造物を製作加工・販売する。同社は重仮設業界の中で唯一、鉄構加工の専門工場を持っている企業だ。この工場では駅舎プラットフォームや橋梁など、さまざまな鋼構造物を製作し設置している。
「当社の事業は、以前は鋼材のレンタルが主体でした。しかし顧客ニーズの高まりから工事の割合が徐々に増加し、資材と工事を一緒にお客様に提供する『材工一式受注』の方向に舵を切りました。現在の当社は鋼材レンタル、工事、鉄構加工・橋梁が3本柱になっています」(野房喜幸社長)
一方、建設機械事業は、主に子会社のレンタルシステム社が担っている。全国に40超の営業拠点を持ち、建設工事で使用する幅広い機械や設備のレンタルを行っている。全国広域に営業所を持つ大手企業に対し、同社は小回りが効く利点を活かし、地域に根ざしたきめ細かい事業を展開している。
重仮設レンタル2社が合併
ポートフォリオ多様化推進
同社は1968年に設立された山本建材リースがルーツだ。川崎製鉄(現JFE)が製造した重仮設資材のレンタルを目的に設立された。90年には、やはり川鉄商事系列の川商建材リースを合併、社名を川商リースシステムに変更。94年に東証二部上場、96年に東証一部に指定替えし川商ジェコスに社名変更。2004年には、ジェコスに社名を変更、川鉄商事からJFEスチールの連結子会社となった。22年、連結子会社の建設機械レンタル5社を再編・統合。24年には資本業務提携契約締結により、JFEホールディングス、みずほリースそれぞれの持分法適用関連会社になっている。
上場後、売上面では順調に推移する一方、経常利益は09年にリーマン・ショックの影響で赤字に転落。また14年には、震災復興を背景に建設機械事業が好調となり、経常利益・純利益は過去最高を達成したが、その後は25年まで最高益の更新はならなかった。
野房社長は、21年にJFEスチール専務から、同社の社長に就任した。
「上場から30年、業績面で山あり谷ありを繰り返してきましたが、材工一式受注に舵を切ったことにより、仮設工事分野の事業規模拡大が進みました。現在は、もう一段上の成長軌道に乗せるため、5年先、10年先を見据えた事業ポートフォリオ多様化に着手しているところです」(同氏)
26年3月期業績予想は、売上高は1130億円(前期比1・3%増)、営業利益は78億円(同13・9%増)。経常利益・純利益が過去最高を更新する見込みだ。
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