プラント建設主力 三菱化工機 【6331・プライム市場】

社内の意識改革が奏功し業績が大きく改善
25年度新設「GX事業」が成長ブーストに

プラント建設や船舶用油清浄機製造などの事業を展開する三菱化工機。同社は、カーボンニュートラルに貢献する新事業を生み出すため、技術開発に注力するとともに大規模な構造改革を断行した。その成果として、近年業績は拡大し株価も上昇している。2025年4月には新セグメント「GX事業」をスタート。今後はGX事業を成長ドライバーと位置づけ、35年までにグループ売上高1000億円を目指す。
三菱化工機-田中 利一

田中 利一(たなか・としかず)

社長

1959年4月生まれ、栃木県出身。85年早稲田大学商学部を卒業後、三菱化工機に入社。2016年取締役管理本部長。19年取締役管理本部担当兼企画本部担当兼営業戦略統括センター長。21年取締役社長(代表取締役)、25年代表取締役社長執行役員に就任(現任)。

水素製造装置、舶用油清浄機トップシェア
26年3月期は過去最高業績見込む

クリーンエネルギー分野拡大へ

同社の事業セグメントは「エンジニアリング事業」、「単体機械事業」、そして「GX事業」の3つ。

エンジニアリング事業では「プラント」「水素・エネルギー」「環境」の3事業を展開する。「プラント」は石油化学、半導体、電子材料、食品などのプラント建設、「水素・エネルギー」は都市ガス関連プラント、水素製造装置などを手がける。水素製造は60年の歴史を持ち、利用場所で水素が製造できるオンサイト型装置HyGeia(ハイジェイア)シリーズはトップシェアを持つ。「環境」は、下水処理など各種水処理施設や廃棄物処理施設を手がける。

エンジニアリング事業:約50%(25年度売上予想比率)

▲小型水素製造装置「HyGeia-A」

▲各種プラント機器(塔槽熱交)

▲海外の合成樹脂製造設備

単体機械事業では、三菱油清浄機(SJシリーズ)を中心に、遠心分離機、ろ過機、除塵装置、撹拌機、船用環境規制対応機器などを製造する。中でも船舶用油清浄機は世界で同社を含め3社しか手掛けておらず、そのうち同社は国内シェア9割、世界シェア4割を占める。

単体機械事業:約25%(25年度売上予想比率)

▲SJ-Hシリーズ

▲船舶環境規制対応機器

GX事業は、後述する「経営ビジョン」の実現に向けて25年度に新設されたセグメントだ。このセグメントは、従来の事業の中から、循環型社会推進分野とクリーンエネルギー分野に向けた事業を切り出して構成されている。たとえば水素サプライチェーン関連装置、バイオガス利活用関連装置といった製品を提供している。

GX事業:約25%(25年度売上予想比率)

▲バイオガスシステム

営業利益率は4年で4%増

同社の26年3月期業績は、売上高885億円(前期比49・5%増)、営業利益90億円(同58%増)と大幅な増収増益となる見込みで、過去最高業績を更新することとなりそうだ。営業利益率も22年3月期の6・1%から、10・2%と4年間で大きく改善している。

エンジニアリング事業では完工した工事案件におけるコスト改善、追加工事の獲得が寄与。単体機械事業はアフターサービス、船舶環境規制対応機器の販売が好調で、利益拡大を後押ししている。またGX事業では、水素利活用部門などの受注残高が積み重なりつつあるという。

21年に1000円前後だった株価は、24年の株式分割(1:3)を経て、26年1月には3500円を超えており、市場の評価も上々だ。

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