進化し続ける100年超企業

進化し続ける100年超企業

静岡ガス【創業116年】
(9543・P・静岡県静岡市)

統合と拡大の歴史を持つ地方ガスの雄
M&Aに注力し、事業多角化を進める
POINT
▶工業用ガスの割合が高く、LNG基地などの稼働率が高い
▶近年はハウジング分野のM&Aを強化

静岡ガスは、静岡県の中東部を主な供給エリアとするガス会社だ。また、近隣のガス会社への天然ガスの卸売りも行っている。都市ガスの販売・供給では、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスに次ぐ国内4位の規模を誇っている。1910年の創業以来116年の歴史を持つ、静岡を代表する100年超企業だ。

▲かつての本社社屋

静岡県の工業地帯を供給エリアに持つ同社は、工業用ガスの割合が高く、家庭用ガスの割合が高い多くの地方ガス会社に比べ、LNG基地などの設備の稼働率が高く、総資本回転率の向上に寄与している。

2025年12月期の売上高は前期比0・5%減の2012億円、営業利益は同36・6%増の140億円、経常利益は同12・9%増の147億円となり、減収増益という結果となった。25年は前年と比べてLNGマーケットがタイトだったため、CIF差(※1)が改善し、それが収益の改善に繋がった。

※1 CIF差:ガス会社や電力会社が独自に調達しているLNGの購入価格と、日本全体の平均的な輸入価格(通関統計価格など)との間に生じる、調達単価の差額のことを指す。

ガス会社として全国屈指の規模を誇る同社だが、近年はハウジング分野に注力し、事業多角化を進めている。25年7月、静岡県西部地区の住宅メーカーであるグッドリビングの全株式を取得し、グループ会社に迎えた。さらに、26年2月には、静岡県東部で宅地分譲地販売などを行う共同開発を完全子会社化した。

▲︎ガス機器や水回りなどの生活設備を販売するイベントにも注力している

同社の「2030年ビジョン」では、30年の時点で連結経常利益に占める都市ガス事業と成長事業(都市ガス以外の事業)の利益比を1対1にすることを目指している。また、財務基盤の強さも特徴だ。25年12月期の自己資本比率は67%であり、東京ガス(26年3月期で44%)や東邦ガス(26年3月期で59%)よりも高い。

1910年創業の同社は、これまで合併や事業拡大を重ねてきた。17年に沼津ガス、42年には清水ガスを吸収合併。また、各地のガス会社の経営に参画してきた。2010年代からは電力・再エネ事業に進出し、上流開発などの海外事業も展開している。

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