過去最高業績を連続更新見込み
 今期は売上高100億円へ

~還元強化・流動性向上にも取り組む構え~

 

オービーシステム(5576)は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画で掲げていた「売上高100億円」の達成が視野に入ってきた。2026年3月期は、M&Aによる連結範囲拡大も寄与し、売上高は前期比12.6%増の86.5億円、営業利益は同19.5%増の6.7億円と過去最高業績を更新した。

同社は1972年設立の独立系SIer。金融、産業流通、社会公共を中心に事業を展開しており、日立製作所グループなど大手SIerとの長期取引を強みとする。近年はAI・クラウドなどを扱う「ITイノベーション事業」も立ち上げ、事業領域を拡大している。

成長戦略の柱の一つがM&Aだ。2024年4月には札幌を拠点とするヒューマン&テクノロジー社を子会社化。さらに2025年5月には、金融系システム開発に強みを持つグリーンキャット社を子会社化。連結効果もあり顧客構成にも変化が出ている。従来は日立製作所グループ向け売上が約7割を占めていたが、現在は6割弱まで低下。BIPROGY向け案件なども加わり、顧客基盤の分散が進んでいる。

決算説明会では、豊田利雄社長が「売上高100億円は、中期経営計画で示していた通り、M&Aをしてきたので、連結体制になり到達へ向かっている」と説明。既存事業の積み上げに加え、M&Aを通じた事業規模拡大を成長ドライバーとして位置付けている。
また、AI関連投資も積極化している。2026年1月には「AX推進室」を発足。AIエージェントを活用した実証実験(POC)提案や、産学連携による研究開発を進めており、社内ではAI資格取得者も150名規模に拡大している。

2027年3月期は、売上高100億円、営業利益8.3億円を計画。AI活用による案件獲得や、既存顧客との関係深化を通じて、中計最終年度の目標達成を目指す。

株主還元にも前向きだ。2026年3月期の年間配当は従来計画の100円から105円へ増額。2027年3月期はさらに125円配当を予定している。説明会では、豊田利雄社長が「株式分割、優待導入、自社株買いも、時々に合わせて検討して行くつもり」とコメント。背景には、同社株式の流動性向上に対する問題意識もあるとみられる。現在は安定株主比率が高く、出来高水準も限定的なため、株主層の拡大や売買活性化を意識した施策を検討しているようだ。

一方で、同社は自己資本比率74.8%と財務基盤は強固。M&AやAI関連投資など成長投資を継続しながら、利益成長と市場評価改善の両立を目指す構えだ。

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