M&Aを活用し全国展開着々 ディ・アイ・システム 【4421・スタンダード市場】

拠点拡充と人材確保で
成長モデル築く

ディ・アイ・システムは2026年1月1日付で山口県のシステム会社、エム・アイ・シー(MIC)を子会社化した。地域拠点の企業をグループ化することで全国展開を加速させる戦略の一環だ。同社は事業拡大の重要施策として積極的なM&Aを推進。拠点や人材の確保に加え、独自の製品やサービスを持つ企業の獲得も見据えた成長モデルを構築している。その取り組みを探る。

山口拠点のMIC社を傘下に

今回のM&Aは、数多く寄せられた案件の中から選定されたもの。MICは後継者が不在という事情もあり、事業承継を目的に売却を検討していた。長年にわたり地域で実績を積み上げてきた企業である点が評価され、グループ入りが決まった。

ディ・アイ・システムにとって、山口県はこれまで拠点を持っていなかった地域であり、今回のM&Aは地理的な意味でも戦略的価値が大きい。既に福岡に拠点を持つ同社にとって、山口県は広島へのアクセスを高める位置にあり、これまで出張ベースで対応していた案件の効率化が期待できる。山口県を加えることで、西日本での事業ネットワークを強化し、関西・山陽・九州の拠点連携による売上拡大を狙う。

大手企業との直取引強み

MICは1991年創業。システム開発・構築事業を展開し、コンビナート地域の企業向けに工場生産管理システムの開発・保守を手掛けてきた。主要顧客には大手企業が名を連ね、安定した顧客基盤を築いている。

さらにMICは、神社向けの管理システムという独自分野でも実績を持つ。祭事ごとの収支管理に加え、六曜情報を踏まえた予約機能搭載のパッケージソフトで、地域の大規模神社にも導入されている。こうした専門性の高い事業領域は、同社の技術力と地域密着型の強みを示すものといえる。

西日本エリアで事業拡大

統合後は、両社の強みを組み合わせたシナジー創出を図る。ディ・アイ・システムの営業力や顧客基盤を活用することで、山陽エリアでの受注拡大を目指すとともに、人材面でも相互補完を進める。MICを通じて地域の優秀な人材を確保する一方、ディ・アイ・システムのエンジニアリソースを投入し、売上拡大を図る方針だ。

PMI(統合プロセス)も着実に進められている。MICの従業員16名に対しては、ディ・アイ・システムの経営陣が説明会と個別面談を実施。上場企業グループ入りに対して前向きな反応が得られたという。経験豊富な人材を抱えるMICと、若いエンジニアが多いディ・アイ・システムとの融合は、組織面でも相乗効果を生むとみられる。

地域密着型企業とのネットワーク強化

同社はこれまでも積極的なM&Aを進めてきた。2013年にアスリーブレインズ、2021年にステップコム、2022年にウイーズ・システムズをグループ化。静岡にオフィスを構えるステップコムでは、上場企業グループのブランド力を活用した採用強化により組織規模を拡大するなど、M&A後の成長モデルを体現している。

今後も同社はM&Aを積極的に継続する方針だ。西日本での拠点整備が進んだことを踏まえ、東日本の案件も重視している。また、独自の製品やサービスを展開する企業の獲得も、今後の案件選定における重要な戦略として位置づけている。地域拠点では人材採用の優位性や自治体の支援制度を活用できる可能性もあり、地域の拠点展開を通じて全国ネットワークを構築していく考えだ。

地域企業との連携を通じて拠点と人材を同時に獲得し、グループ全体の成長につなげる―。ディ・アイ・システムのM&A戦略は、SIerの新たな成長モデルとして注目されている。

ディ・アイ・システム(4421・S)
本社
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