薬局向けシステム国内1位 EMシステムズ 【4820・プライム市場】

薬局・病院・介護施設の業務支援システム開発
3領域連携で社会保障費問題にアプローチ

EMシステムズは「薬局」「無床クリニック」「介護/福祉施設」を対象とした業務支援システムの開発などを手掛ける。売上の約8割を占める薬局向けシステムでは、約45%のシェアを獲得し業界1位だ。同社が中長期的に見据えているのは、3領域共通の情報システム基盤を持つ「MAPs」シリーズを普及させ、社会保障費問題にアプローチすることだという。
EMシステムズ-國光 宏昌

國光 宏昌(くにみつ・ひろまさ)

社長

1974年生まれ、兵庫県出身。2000年南京航空航天大計算機応用卒業、同年EMシステムズ入社。14年常務取締役執行役員チェーン薬局本部長、19年システム製品事業部長、取締役常務執行役員。20年代表取締役社長執行役員に就任(現任)。

中核は「MAPs」シリーズ
薬局向けではシェア45%

EMシステムズ(※)は薬局、医科、介護/福祉施設向けの業務支援システムの開発・販売などを行う。2024年12月期の売上高は前期比22・0%増の248億3700万円、営業利益は同91・6%増の44億6400万円。マイナ保険証の本格導入にともなう電子処方箋及びオンライン資格確認オプションソフトの導入設置の需要が高く、業績は全項目で過去最高となった。

※登記上はイーエムシステムズ

主な事業セグメントは、処方箋を扱う薬局向けの「調剤システム事業」、入院設備を持たない無床クリニックに電子カルテシステムなどを提供する「医科システム事業」、そして介護/福祉施設向けにオンラインでの介護記録や請求業務のシステムを提供する「介護/福祉システム事業」の3つ。売上比率はそれぞれ83%、10%、2%。薬局向けシステムは、全国の薬局5万5000件の約45%のシェアを獲得し、業界首位だ。

特に同社が中核製品として注力しているのが、3領域で共通のエンジン・マスタを基盤としたクラウド型システム「MAPs」シリーズだ。

「クラウドで何が変わるかというと、場所を選ばず仕事ができる。例えば医科向けですと、医師が往診に行った際、クリニックに帰って入力作業をすることなく、その場で記録することができます」(國光宏昌社長)

同社では顧客の細かな要望を集め、それらを基に毎月、システムをバージョンアップしている。周辺機能も充実させており、例えば薬局向けでは、処方箋を読み込むと他薬局の処方薬も含め、患者の電子薬歴と照合できる。専門知識を持つ薬剤師でも何十万種類とある薬の飲み合わせを見極めることは難しいが、同システムでは飲み合わせの悪い薬があると薬剤師に知らせるアシスト機能がある。

「使う側にとって便利なシステムであり、その先にいる患者も見据えたシステム設計を心掛けています」(同氏)

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