創業120年の老舗クリーニング 白洋舍 【9731・スタンダード市場】

ラグジュアリーホテル向けリネンサプライが急拡大
10万件のクリーニング集配客向けに新事業も開始

白洋舍は、日本で初めてドライクリーニング工場を開設した企業だ。創業120年の歴史を持ち、その技術力や品質には定評がある。一方で現在は、ホテル向けリネンサプライや食品工場・飲食チェーン向けのユニフォームレンタルでも広く展開している。今後はさらにリユースや海外展開にも力を入れ、成長を目指す。
白洋舍-五十嵐 瑛一

五十嵐 瑛一(いがらし・えいいち)

社長

1985年3月生まれ。2009年慶応義塾大学大学院修了。同年野村総合研究所入社。20年白洋舍経営企画部部長。21年事業戦略室長。22年執行役員。23年取締役常務執行役員。24年代表取締役社長執行役員(現任)。

※東京・大田区にある本社ロビーにて撮影(背景にあるのは創業当時に使用されていた台車のモニュメント)

技術力のクリーニング事業
売上拡大するレンタル事業

売上高比率は4対6

白洋舍はクリーニングを全国展開する大手企業として広く知られるが、実は現在の同社の事業は、「クリーニング事業」と「レンタル事業」の二本柱で構成されている。

同社の2025年12月期の業績は、売上高が446億円、営業利益が約24億円だった。セグメント別では、「クリーニング事業」が全体の37%で売上高166億円、営業利益18億円。リネンサプライとユニフォームレンタルを合わせた「レンタル事業」は61%で売上高270億円、営業利益24億円だった。コロナ禍以前までは、祖業のクリーニング事業がレンタル事業を売上高で少し上回り、およそ半々だったが、現在は両事業の割合は概ね4対6で推移している。五十嵐瑛一社長が話す。

「利益率で見るとクリーニングのほうが高くなりますが、レンタルでもユニフォームの利益率はやはり高いです。売上の面ではリネンサプライが成長ドライバーです。2030年頃までホテルはまだまだ建つと言われており、当社はホテル向けリネンサプライが特に強いので、成長が続くと見ています」

レンタル事業

リネンサプライ

▲ホテル向けリネンの貸出を主力とする。都内のラグジュアリーホテルの多くをカバー

ユニフォームレンタル

▲食品工場やコンビニエンスストアなど、食品にまつわるユニフォームのレンタルが多い

ホテルのランドリー運営

そのホテル向けリネンでは、同社は特にラグジュアリーホテル、つまりハイエンドのホテルに強みを持っている。

「当社のリネンサプライは、都内のラグジュアリーホテルの多くをカバーしていると思います。ホテル内にゲストランドリーが設置されている場合は、併せて運営を委託されていることも多いです」(同氏)

そうした運営を任されたラグジュアリーホテルには、駐在の社員を置き、宿泊客からリネンやゲストランドリーで困りごとの相談があると、即対応できるような体制をとる。大規模ホテルのゲストランドリーでは、バックヤードに専用のクリーニング設備を備え、24時間体制で常時7~8名のスタッフが駐在しているケースもあり、都内で運営まで任されているゲストランドリーは10カ所ほどになるという。

また近年は国内大手や外資系ホテルチェーンがリゾート展開で地方にホテルをオープンさせている。同社はこうしたニーズにも対応し、リネンの売上は年々伸びている。

▲リネンサプライ工場の様子。使用済みリネンを機械にセットすると、後は自動で仕上げられる

食品向けユニフォーム拡大

リネンと共にレンタル事業のもう1つの柱である「ユニフォームレンタル」も成長が続いている。取引先は、食品工場やコンビニエンスストア、全国展開のコーヒーチェーンなどだ。同社は11年に他社に先駆けて、食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO22000」を取得。そのため、食品にまつわるユニフォームレンタルの受注を多く獲得してきた。

「ユニフォームレンタルの売上高は、リネンほど大きく伸びてはいませんが、年々着実にアップしています。今まで自社でユニフォームを洗っていたような食品工場などが、衛生管理のため外注に切り替えるというケースが増えているのです。まだまだ潜在需要はあって、市場自体は確実に拡大していきます」(同氏)

なお、25年12月期のレンタル事業の売上内訳は、リネン6割、ユニフォーム4割という割合だ。

▲ISO22000を取得し、衛生管理を徹底しているユニフォームレンタル工場

一方、祖業であるクリーニング事業における同社独自の強みは、北海道から福岡まで、全国約300ルートを毎日、外商のルートスタッフが集配に回っている点だ。集配の顧客は約10万件にも上る。

「創業者が元々百貨店の外商だったために、長年力を入れてきました。クリーニングの売上高のうち、店舗が4割弱、集配が6割強と実は集配のほうが大きいです。家の中に入らせていただくため、長い付き合いになりやすく、親子3代でお使いいただいているご家庭もあります」(同氏)

クリーニング事業

▲120年の歴史を誇る祖業のクリーニング事業。品質の高さに定評がある

売上高の6割を占める「集配」

▲全国約300ルートを毎日、ルートスタッフが集配に回っている。約10万件の顧客がいる

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