共同物流のパイオニア キユーソー流通システム 【9369・スタンダード市場】

4温度帯配送に対応する食品物流企業
技術を活かし「医薬品」「海外」物流を拡大

1966年にキユーピーの倉庫部門から分離・独立して設立された、キユーソー流通システム。キユーピーは現在も同社株式の43%を保有するが、同社は1000社以上の独自の顧客基盤を持つ、BtoBに特化した食品物流企業だ。2024年に社長に就任した富田仁一氏のもと、25年には初の長期経営計画「グループビジョン2036」を策定。それまで3カ年で策定していた中期経営計画も4カ年に変更し、長期的視野を持ちながら一歩ずつ、けれどダイナミックに変化していこうとしている。
キユーソー流通システム-富田 仁一

富田 仁一(とみた・じんいち)

社長

1964年1月生まれ。埼玉県出身。86年専修大学法学部卒業、三英食品販売入社。90年キユーピー入社。2017年コープ食品代表取締役社長。20年キユーソーエルプラン代表取締役社長、キユーソー流通システム取締役執行役員。24年同社代表取締役社長(現任)。25年キユーソーサービス代表取締役社長(現任)。

食品会社1000社と取引

▲専用物流で使用される物流センター

同社では食品を主体として、保管、入出庫、運送、情報処理など総合的な物流サービスを提供する。事業区分は「共同物流事業」「専用物流事業」「関連事業」の3つだ。

営業収益の7割近くを占めるのが主力の「共同物流事業」だ。これは、中小の食品メーカーをはじめとする複数の荷主の商品を、4温度帯に対応して共同で配送する事業だ。富田社長は話す。

「一口に食品物流と言っても、『常温』『チルド』『冷凍』、そしてチョコレートのように温度管理が必要な『定温』という4温度帯があります。各温度帯のどこかを得意とする会社が多い中、4温度帯をバランス良く、全国ネットワークで広く扱っているのは当社が唯一かもしれません。そこが大きな強みです」

▲4温度帯での品質管理

また、1台のトラックは丸ごと冷凍車だったり、冷蔵車だったり、常温だったりするのが一般的だ。だが同社では、荷台を仕切って「冷凍」「チルド」に分けて運べる2室式冷凍トラックを開発・導入。異なる温度帯の食品を一度に運べる体制を確立している。

▲トラックは最新機器で温度管理される

北海道から九州まで、全国に57の事業拠点を置き、入庫・保管・ピッキング・出庫・納品までをワンストップで行う。また、「キユーソースルー便」は、全国に通過型のベースセンターと地域の集配を行うエリアセンターを設け、小口の冷凍・冷蔵食品の全国輸配送を展開している。このスルー便は無在庫型アセット物流になる。

▲同社の主要拠点。北海道から九州まで、各主要拠点を幹線輸送機能で結ぶ。各主要拠点からは地域物流システムで届け先まで運ぶ

一方、営業収益の約2割を占めるのが「専用物流事業」だ。これは、コンビニエンスストアや外食チェーン、食品スーパーなどの取引先に対して、専用の物流オペレーションを提供するものだ。

▲専用物流のオペレーション例。サプライヤーなどから物流センターに商品が届くと、検品・ピッキング・仕分け・積み込みなどを行い、得意先の店舗へと届ける

そして、営業収益1割強の「関連事業」では、車両・物流機器・燃料などの販売、中国における倉庫・輸配送、インドネシアにおける倉庫・輸配送・フォワーディングを行っている。

「国内の取引先は約1000社あり、1社に極端に売上依存していないのも当社の特徴です。一番取引が多い問屋でも連結営業収益の1割程度です」(同氏)

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