京都地盤のBtoB物流大手 中央倉庫 【9319・プライム市場】

顧客深耕でサービス拡充続け創業100年へ
8次中計策定、更なるチャネルの拡大目指す

2027年に創業100年を迎える中央倉庫は、倉庫、運輸、国際貨物事業など、BtoBの一貫物流サービスを展開している。全国8拠点・海外1拠点の独自ネットワークを確立しており、総営業面積は約28万㎡。その9割が自社保有倉庫で、品質を重視した保管・サービス体制を強みとする。同社では25年4月より第8次中期経営計画「NEXT CS─100」が始動。輸入化学品などの取引拡大、国内有力顧客の深耕、循環型ビジネス及び機工(機械の輸送据付)分野の更なる強化などを目標に掲げている。
中央倉庫-谷奥 秀実

谷奥 秀実(たにおく・ひでみ)

社長

1961年3月生まれ、京都府出身。83年に和歌山大学経済学部卒業後、中央倉庫に入社。営業統括本部営業企画部長、経営企画室長、国際貨物第2部長などを経て、2015年に取締役に就任。20年取締役常務執行役員営業統括本部長、22年代表取締役専務執行役員企画管理本部長、24年代表取締役社長執行役員に就任(現任)。

国内物流と国際貨物の2本柱
原料や素材中心に多品目に対応

同社では、貨物の保管、運輸に加え、仕分け・検品・梱包などの物流加工を行う「国内物流」と、通関や航空・海上輸送手配、輸出梱包などの「国際貨物」を2本柱としている。その他、書類保管や廃棄代行、オフィス移転などのビジネスサポートも手掛ける。

顧客は大手メーカーや大手商社を中心に1500社以上。同社では原料や素材を主力に、製品、機械の輸送据付まで扱っており、特定業種に依存しない顧客の幅広さが強みとなっている。

創業は1927年。以降、地場に根差して事業を展開してきた。当初は京都市中央卸売市場内の京都中央市場倉庫として食品の取扱いから始まったが、京都の地場産業である絹織物をきっかけに、同じく繊維の産地である福井、名古屋、岡山に規模を拡大。国内の繊維業が国際競争激化や国内需要減少で斜陽化し輸入に転じた際に、通関や梱包などの国際物流を開始した。また繊維業界の顧客が化繊、樹脂、フィルムなどを扱うようになったことに対応し、化学工業品や雑品、雑工業品へと品目を拡大。顧客ニーズを読んで事業領域を広げ、品質を重視したサービスで顧客との信頼関係を構築することで、長期にわたる取引に繋げてきた。

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