「モバイルクリエイト」が前身
サブスク売上が拡大
大分に本社を置くFIGは、IoT事業、マシーン事業を展開している。IoT事業では、IP無線やモビリティ関連、ペイメントサービスを手掛ける「モバイルクリエイト」と、ホテル業界向けシステム開発を行う「ケイティーエス」の2社が主力である。マシーン事業では、「REALIZE」が半導体・自動車関連製造装置や搬送ロボットを製造。これら3社で売上高の約9割を構成している。
2024年12月期は、売上高120億1600万円、営業利益3億6300万円となり、全体では目標未達で着地した。そんな中でも、モバイルクリエイトは好調で、売上高が前期比9・1%増の47億4600万円、売上総利益は同14・6%増の17億5500万円と過去最高を更新した。
モバイルクリエイトでは、携帯通信網やWi─Fiのデータ通信を利用した無線システムと、決済サービスが2軸。業務用IP無線システムにおいては業界のパイオニアだ。物流、公共交通、イベント、教育機関、災害現場などで活用され、車載導入数は業界1位という。また運送・輸送業者向けのトラック動態管理システムが広く活用されているほか、タクシーはクラウド型の配車システムや決済システムで国内導入シェア14%、バスは運行管理システムを中心に同31%で、いずれもトップシェアを獲得している。ペイメントでは、タクシーのメーターに連動した決済システム、バスの交通決済、沖縄のICカード「OKICA」など、交通分野に強みを持つほか、自治体や小売店にも活用の幅を拡大させている。こうしたモビリティ分野でサブスク売上を年々積み上げており、同分野でのサブスク売上高は12年度3億8000万円から24年度32億8100万円と、9倍近く伸長している。
一方、マシーン事業のREALIZEでは前期、半導体在庫問題や、自動車メーカー減産の影響による投資先送りが影響し苦戦。売上高は前期比29・6%減の38億800万円、売上総利益は同22・7%減の8億4900万円で着地した。
「モバイルクリエイトが安定的に成長している分、投資家の方々からは『なぜ装置関連事業をグループに加えたのか』という質問をよくいただきます。しかし私はREALIZEが、今後の当社の成長の鍵を握ると考えています」(村井雄司社長)
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