国内きのこが売上6割、利益8割
包装資材卸の化成品事業が原点
近年の健康志向の高まりにより、低カロリーで食物繊維が豊富なきのこに注目が集まっている。同社は、「おいしいきのこはホクト」のCMソングで知られ、生産量・売上高ともに国内首位のきのこメーカーだ。
きのこの研究開発から生産、販売まで一貫して手掛けている。2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比4・6%増の831億400万円、営業利益が同108・4%増の66億2800万円。事業別売上高比率は、「国内きのこ事業」が66・3%、「海外きのこ事業」が9・3%、「加工品事業」が9・8%、「化成品事業」が14・6%となった。事業別利益は、国内きのこ事業が約8割を占め、売上・利益ともに牽引している。
過去10年間の業績推移を見ると、売上高は15年3月期の609億4900万円から順調に伸ばしている一方、営業利益は平均して30億円台で増減を繰り返している。23年3月期は、野菜相場が安値で推移したことや、原材料費、電力費、包装費などの高騰により赤字となった。現在は回復しており、25年3月期の営業利益率は8・0%となった。
ブナシメジとエリンギが首位
きのこ市場における年間国内総生産量は約43万tで、そのうち約8万4000tを同社が生産している。1日当たりの出荷数は1パック100gで換算すると約250万パック。ブナシメジ、エリンギ、マイタケの主要3品種のほか、霜降りひらたけや生どんこなどを手掛ける。味、色、形、大きさの優れた品種を追求し続けるオリジナルの製品群だ。
主要3品種の年間生産量は、ブナシメジ約4万6700t、エリンギ約1万6700t、マイタケ約1万5600t(25年3月期実績)。国内シェアはエリンギが約45%、ブナシメジが約36%とそれぞれ首位。マイタケは新潟に本社を構えるユキグニファクトリーに次ぐ2位で、約27%を占める(24年3月期実績)。
「エリンギは当社が最初に栽培を安定化させることができ、1996年頃から量産化を始めました。スーパーさんからすると、エリンギはホクト、ブナシメジはJA長野、マイタケはユキグニファクトリーという位置付けだと思います」(水野雅義社長)
エリンギは2001年に6割以上のシェアを有していたが、農家や他メーカーも生産を始めたことによってシェア率が下がっている。逆にブナシメジのシェアは31%から5ポイント以上増加している。
きのこ栽培用ビンを製造
「加工品事業」は、主にきのこを使用したカレーや缶詰製品などの加工食品を製造・販売する。最近では冷凍野菜の需要が増えていることから、フレッシュ冷凍きのこの販売を試験的に始めている。
「きのこは四季の中で、売れる時期と売れない時期があります。売れる秋冬期は工場がフル稼働ですが、5~8月は工場を少し休ませる形になります。その分のきのこをどうするかという課題があります。その解決策の1つが加工品事業で取り組みを始めている冷凍きのこです」(同氏)
グループ会社のホクト産業が担う「化成品事業」では、食品トレーや容器、包装用機器などを含む包装資材の製造販売、及びきのこ栽培用ビンなど農業資材の製造販売を行う。取扱製品の内訳は包装資材が約6割、農業資材が約4割。10年程前から自社製品部門を立ち上げ、ヨーグルト容器などの製造も行っている。「きのこのホクト」として知られる同社だが、実は祖業はこの化成品事業にある。
「『利益率が高い事業があるのになんで商社みたいなことをやっているんですか?』とよく言われるのですが、我々の原点でありルーツはここにあるんですよね。事業規模も120億円と大きく、長野県内で2番目くらいの売上があると思います」(同氏)
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