ビーアールホールディングス 【1726・プライム市場】

橋梁の新設・リニューアル施工で豊富な実績
高強度・高耐久のPC工法の技術力が強み

ビーアールホールディングスは「日本の社会インフラを支える」を創業以来掲げ、橋梁の施工で高い実績を持つ専門工事企業だ。河川や洋上の橋梁のほか、新幹線の高架橋工事や、高速道路の老朽化にともなう床版取替工事などで、全国の案件を手掛ける。また、「K─LIP工法」をはじめとする独自工法を武器に、需要が急速に増えているリニューアル工事で強みを発揮している。中期経営計画では、2031年3月期に現在の売上高約400億円を1・5倍の600億円に、同じく営業利益約20億円を2倍の40億円へと伸ばす目標を掲げる。
ビーアールホールディングス-藤田 公康

藤田 公康(ふじた・きみやす)

社長

1950年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学法学部、ハートフォード大学を卒業。76年、大塚製薬に入社。81年、極東工業(現極東興和)入社し取締役社長室長に就任、85年から代表取締役社長を務める。2002年にビーアールホールディングス取締役、05年に代表取締役社長に就任(現任)。

新設では新幹線軌道スラブが好調
高速道路の床版取替も大型受注

同社の「ビーアールホールディングス」という社名は、もともと「橋」に由来している。英語の「Bridge」から「Br」を取った略語(造語)だ。同社が創業以来の強みとしてきた橋梁工事をイメージしたもので、実際同社がこれまでに携わった橋梁は1万8000橋を超える。

現在は、河川、洋上橋梁の他、鉄道、道路の高架橋など幅広く受注しており、特に近年は高速道路の高架橋床部分にあたる「床版」や鉄道のレール下に敷設するコンクリート製の道床となる「軌道スラブ」の設置などで豊富な実績を持つ。本社は広島に置くが、グループ会社化によって全国展開。日本全国のインフラ工事に幅広く携わっている。

同社のもうひとつの強みがプレストレスト・コンクリート(PC)工法による、豊富な施工実績と高い技術力だ。

プレストレスト・コンクリートとは、緊張材によって両側から圧縮力をあらかじめ加えたコンクリートのこと。コンクリートの弱点であるひび割れの防止と高い強度・長寿命化を実現した工法だ。同社は特にPC橋梁に強みを持つ。

プレストレスト・コンクリート(PC)工法とは

ひび割れを発生させない特殊なコンクリートで、橋梁や上下水・ガスの容器構造物(タンク)及び鉄道マクラギなどに用いられている。高強度かつ高耐久なコンクリートを用いることで、鉄筋コンクリートでは実現不可能な構造物の構築や、構造物の長寿命化が図れる。

2025年3月期の売上高は前期比1・3%増の407億7000万円、営業利益は19億5300万円。セグメントで見ると、新設橋梁事業と補修・補強事業から成る建設事業が全体売上の84%を占める。その受注内容は大型案件が多く、かつ日本全国に拡がりを見せている。

「新設の受注実績は現在、エリア別では北海道が進展しています。北海道新幹線の高架橋、軌道スラブを請け負っています。今年の新規受注を含め、総額100億円を超えています。次が近畿エリアで、新名神高速道路などの工事が堅調です」(藤田公康社長)

さらに今、高度経済成長期に建設された橋梁・高速道路などの補修・補強工事のニーズが急速に高まっており、全体売上の約5割まで伸びている。同社が目下、多くの実績を上げているのがNEXCOの高速道路の床版取替工事だ。劣化した鉄筋コンクリート(RC)床版をより耐久性の高いPC製床版に更新している。一方、新設工事においては、新幹線向けが好調だ。

「NEXCOさんの案件は、高速道路の床版取替工事でも、30億~50億円の大型工事が増えています。また新幹線の軌道スラブ(枕木に相当する路盤上に線路を敷設)でも、50億円規模の受注があり、現在もグループ内でJV(ジョイントベンチャー)を組んで進めている案件があります」 (同氏)

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン SEARCH