製菓業界最大のプラットフォームを運営 cotta 【3359・グロース市場】

小規模菓子店の仕入れの課題を解決
新たな変革期を迎え美容業界に参入

大分県に本社を置くcotta(コッタ)は、国内最大級の製菓・製パン向けの総合通販サイト「cotta」を展開する企業だ。1998年に創業した同社は、小規模事業者の仕入れの課題を解決する小分け販売のビジネスモデルで事業を拡大。これまで三度の変革期を経て、成長を続けてきた。しかしコロナ下でのお菓子作りブームが一巡し、大手通販事業者もライバルとなるなか、現在四度目の転換期を迎えている。既存事業の付加価値向上やM&Aによる異業種参入など、新たな挑戦に取り組む。
cotta-黒須 綾希子

黒須 綾希子(くろす・あきこ)

社長

1984年8月生まれ、大分県出身。2007年インテリジェンス入社。10年タイセイ(現cotta)入社。14年TUKURU取締役就任。16年タイセイ取締役就任。20年cottaおよびTUKURUの代表取締役社長(現任)。22年イオン九州社外取締役(現任)。24年ヒラカワ代表取締役社長(現任)。

小ロット販売を強みに成長
コロナ下に過去最高売上高

同社が運営する「cotta」は、登録会員数約153万人(2024年9月時点)の製菓・製パン業界最大のプラットフォームだ。主に同サイトを介して、菓子やパン作りに必要な食材や道具、包装資材など、3万点超を全国の菓子店や消費者へ販売している。メイン顧客は、小規模の菓子店やカフェ、飲食店など。小規模事業者の「必要な分だけ仕入れたい」という要望に応えるため、通常問屋が卸さない小ロットでの販売を強みに成長してきた。

また、小規模事業者以外に、お菓子作りをする個人消費者をデジタルマーケティングで的確に取り込んできた。その結果、21年9月期の売上高はコロナ下の巣ごもり需要もあり、過去最高の92億5800万円となった。しかし今、同社は新たな転換期を迎えている。

「(個人消費者は)コロナを追い風に売上が大きく伸びましたが、その後特需が剥がれ落ち、またマーケットが激変したため、売上が伸び悩むフェーズに入りました。女性の社会進出も進み、原材料の値上げもあり、お菓子作りをしたい人しか残っていない、“ニッチな趣味の世界”となっています」(黒須綾希子社長)

24年9月期は、売上高が前期比3・9%増の89億5100万円、営業利益は同40・1%減の4億7700万円(営業利益率5・3%)。事業別売上高比率は、菓子店や飲食店向けの仕入れサイト「cotta business」を中心としたBtoB事業(その他グループ会社含む)が約7割、一般消費者を対象としたBtoC事業が3割弱。加えて、広告やブランドコンサルティングなどのサービスを提供するメディア事業で構成される。

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