建設機械レンタル業界2位 カナモト 【9678・プライム市場】

品揃え・整備力が強み、24年度売上高は2072億円
資産の長寿命化施策など資本効率の改善を目指す

カナモトは独立系の建設機械(建機)レンタル企業。同社含め大手4社が建機レンタル市場をけん引する中、同社は土木向けを得意とし、品揃えの幅広さと整備力の高さを強みに成長してきた。2024年10月期には過去最高売上高となる2072億1800万円を上げた。今後は29年度を最終年とする中期経営計画のもと、建機周辺機器のレンタル拡大や、レンタル資産の長寿命化などの施策で、更なる売上拡大と資本効率改善を目指す。
カナモト-金本 哲男

金本 哲男(かなもと・てつお)

社長

カナモトは独立系の建設機械(建機)レンタル企業。同社含め大手4社が建機レンタル市場をけん引する中、同社は土木向けを得意とし、品揃えの幅広さと整備力の高さを強みに成長してきた。2024年10月期には過去最高売上高となる2072億1800万円を上げた。今後は29年度を最終年とする中期経営計画のもと、建機周辺機器のレンタル拡大や、レンタル資産の長寿命化などの施策で、更なる売上拡大と資本効率改善を目指す。

取扱アイテムは1100種・81万点
整備の資格取得をバックアップ

市場は堅調に推移

建機レンタルとは、建設会社に対して、工事の種別ごとにあわせた建機を貸し出すビジネスだ。建設会社にとっては建機を都度購入していては費用がかさむが、レンタルを利用することで費用を安く抑えられる。資産として所有する形ではないため、常時の保管場所やメンテナンスが不要になるなどメリットがある。カナモトのような建機レンタル企業は、自社で購入した建機を建設会社に貸し出し、その対価を得る。返却された後に整備・メンテナンスを施し、またほかの建設会社に貸し出す。

同社によると、日本の建機レンタル企業数は約2000社存在するという。建機のみならず工具や測量機などのツール、また仮設トイレや事務所用プレハブなど、建設に関する資材を幅広く取り扱う企業も多い。現場における機材供給の大半をこうしたレンタル企業が担っているとされる。建機レンタル市場は、旺盛な建設需要を背景に今後も拡大が続くと見込まれる。

カナモトは建機レンタル業界の中で売上高が第2位で、トップ4社(アクティオ、カナモト、ニシオホールディングス、レンタルのニッケン)の一角を占めている。24年10月期の連結売上高は2072億1800万円(前期比4・9%増)と過去最高、営業利益は145億6900万円(同21・8%増)となった。今でこそ年商2000億円に達しているが、10年以上前である12年10月期の売上高は861億600万円だった。そこから12年で売上高は約2・4倍の成長となっている。

同社は建設関連事業で売上の約9割を占め、残り約1割を鉄鋼製品の販売を行う鉄鋼関連事業、PCなどのレンタルを行う情報機器関連事業、福祉・介護用品のレンタルや販売を行う福祉関連事業で構成している。

従業員の4割が整備人材

同社は国内534拠点、海外24拠点を展開。また国内にアライアンス(業務提携)グループ会社34社がある。国内では北海道や東北で高いシェアを持ち、本社を構える北海道では約5割のシェアと圧倒的だ。土木と建築を合わせた建設関連のレンタルアイテムとして約1100機種、約81万点を取り扱う。

連結従業員数は約4000名で、そのうちの約4割が整備に携わる人材だ。従業員の中で整備担当者数の比率が最も高い。同社は整備の質を高めることに注力し、資格取得をバックアップしている。

▲整備を行う従業員。連結従業員数約4000名のうち約4割が整備に携わっている

「レンタルビジネスは、償却済みのレンタル資産を、いかにして質の良さを保ったまま貸し出し続けられるかで収益が決まる。ですから整備サービス体制は、当社を支える根底にあるものです。そしてそこに注力する体制づくりが、他社とは大きく違う部分だと考えています」(金本哲男社長)

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