「久世福商店」全国展開 サンクゼール 【2937・グロース市場】

和のグロッサリーストア多店舗化にいち早く成功
“食のSPA”企業として海外販路も順次拡大

サンクゼールは、和のグロッサリーストア「久世福商店」を全国展開し、食と味にこだわる女性などに人気のある会社だ。商品の企画・製造・販売まで一貫して行う“食のSPA”企業として、近年は海外にも販路を広げる。2022年にはグロース市場に上場、現在は売上高200億円規模だが、10年後には3倍の600億円超を目指す。
サンクゼール-久世 良太

久世 良太(くぜ・りょうた)

社長

1977年3月生まれ、長野県出身。2002年、セイコーエプソン入社。05年斑尾高原農場(現サンクゼール)入社。専務取締役、代表取締役専務などを経て18年に代表取締役社長に就任(現任)、St.Cousair Oregon Orchards,Inc.(現St.Cousair.Inc.)非常勤取締役に就任(現任)。

各地の素材を生かした食品を販売
自宅用にもギフト用としても人気

▲久世福商店

「久世福商店」では、日本各地の地元で採れる素材を生かしただしや調味料、冷凍食品や菓子などの食品を取り扱っており、「ザ・ジャパニーズ・グルメストア」をコンセプトに和食文化を発信している。全ての店舗がデパートやショッピングモール内のインショップでの出店。店舗の広さは15~90坪とさまざまだが、メインは40~45坪程度だ。

▲人気商品の「なめ茸(左)」と「風味豊かな万能だし(右)」

店舗の内装は大正時代の店蔵を模しており、店内には多様な商品が所狭しと並んでいる。同店の販売商品の特徴は、普段使いの「自宅用」にも、また「ギフト」にもなり得るバランスの品質と価格であることだ。「だし(風味豊かな万能だし)」をはじめ、ご飯のお供になる「なめ茸」などの人気が高く、いずれの商品も一般的なスーパーで売られている商品より少々高価だ。同店の利用は「自宅用」が6割、「ギフト用」が4割のバランスだという。

「当社の主なターゲット層は50代の女性です。子育てが一段落し、自分たちの生活に余裕が生まれてくる中で、健康のために食生活に気を遣いたいと思われる方をペルソナとしています。その次に多い顧客層は、30~40代の子育て中のお母さんです。良いものを子供に食べさせたくても時間を十分に取ることができない。そのような方が、簡便性と栄養バランスを兼ね備えた商品を求めています」(久世良太社長)

もう1つのブランド「サンクゼール」は、ワインやジャム、パスタソースなどを製造販売する、同社の本拠地である長野発のメーカーズブランドだ。洋風の商品を取り扱い、ワイナリーやレストランなども運営している。

▲サンクゼール本店

▲レストラン外観

▲ワイナリー工場内

直営・FCを併営

同社の2025年3月期業績は、売上高194億6700万円、営業利益8億3500万円。26年3月期は、売上高は前期比6・4%増の207億1600万円、営業利益は同9・9%増の9億1800万円を見込んでいる。

テイストにこだわった、いわゆる“セレクトショップ”タイプのグロッサリーストアはいろいろあるが、同社は和テイストのグロッサリーストアを手掛ける企業として、いち早く全国規模の多店舗化に成功している。

現在、主力ブランドの「久世福商店」168店のほか、ワインやジャムなど洋風グロッサリーを扱う「サンクゼール」9店の計177店舗を展開している(25年12月時点)。店舗は北海道から沖縄まで全国45都道府県にある。特徴的なのは直営とFCを併営している点で、全体の約7割の124店がFC店舗だ。このため、全体売上高で7割を占める店舗売上も、「直営」と「FC」に分かれている。「直営」はそのまま店舗売上の合計、「FC」はFC店への卸と各種フィーの合計だ。

25年3月期業績は、「直営」が全体売上高の32%、「FC」は37%となる。また、自社サイトを通じての「EC」は6%。食品メーカーとのタイアップや一部小売店向けの「ホールセール」は14%。そして、米国はじめ海外向けの「グローバル」は11%だった(右円グラフ参照)。

 

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