重電8社の一角 東光高岳 【6617・プライム市場】

不適切事案の分析・検証から、再生・改革フェーズへ
旺盛な電力市場のニーズを捉え、事業拡大を目指す

約100年の歴史を持つ2社が統合してできた東光高岳は、国内の電力インフラを支える電力機器や送配電設備などを提供する重電メーカーだ。電力事業者向けの大型変電設備やスマートメーターから、EV用充電器、スマートグリッド関連機器など、ラインアップは多岐にわたり、国内トップシェアも多い。2021年6月に一ノ瀬貴士社長が就任すると、直後の8月に不適切事案が発覚。その後も複数の事案が見つかる中で、一ノ瀬社長は徹底的な原因究明や改革案策定に取り組んできた。
東光高岳-一ノ瀬 貴士

一ノ瀬 貴士(いちのせ・たかし)

社長

1962年9月生まれ、東京都出身。85年東京大学工学部卒業、東京電力入社。2011年東京支店渋谷支社長、14年東電タウンプランニング社長、17年東京電力ホールディングス内部監査室長、19年執行役員組織・労務人事室長などを経て、21年4月に東光高岳常務執行役員。6月同社代表取締役社長(現任)、東光東芝メーターシステムズ代表取締役会長就任(現任)。

電力プラント・機器や計量技術を核に
GXや光応用検査機器も展開

東光高岳は、日本の電力インフラを電力機器・システムのモノづくり技術と計測・伝送・制御技術で支える、東京電力グループ企業だ。国内に工場・事業所・支社・営業所を18カ所、国外2カ所の20拠点を展開し、関連会社は国内7社、国外4社の11社を有する。取引顧客は、東京電力パワーグリッドを中心に全国の電力会社や公共・民間企業など多岐にわたる。国内で日立製作所、東芝、三菱電機、富士電機、明電舎、ダイヘン、日新電機と並ぶ重電8社の一角を占めている。

▲電力プラント事業の550kV断路器

事業セグメントは、大きく4つに分かれる。

「電力プラント事業・電力機器事業」は、それぞれ売上比率が約42%・約14%で、合わせて約56%を占めるメイン事業だ。

電力プラント事業は、特別高圧の変圧器・開閉装置・断路器などの受変電設備、監視制御装置やシステム、プラントエンジニアリングなどを、電力会社の変電所や道路・鉄道・水道などの公共分野、ビルや工場などの産業分野向けにワンストップで提供する。

▲電力機器事業の地上用変圧器

電力機器事業は、発電所から送られる高圧電力を工場・オフィス・家庭で使用するため、配電線の柱上や路上に設置される変圧器、開閉器、遠方制御器などの製品群を、主に電力会社に納めている。

売上比率で約31%の「計量事業」は、電力会社向けのスマートメーターや計器用の各種変圧器・変成器など、発電所から家庭用までの電力計量に関わる製品の製造・物流・工事を手掛けている。また、東京電力の電気メーター取替工事の工事監理・施工請負なども担っている。

「当社は、超高圧の発電所から一般のご家庭までの電力ネットワークの中で、電線やケーブルの“線”の設備と、鉄塔や電柱のような“支持物”を除いた“点”の設備・システムを、ほぼ全て手掛けています。幅広い製品群を有しており、他社さんと比べてラインアップの広さが強みだと思います」(一ノ瀬貴士社長)

EV・半導体でも頭角

売上比率で約10%の「GX(グリーン・トランスフォーメーション)ソリューション事業」は、国内約4割とシェアナンバーワンを誇るEV(電気自動車)用急速充電器、ビル・工場などの施設のエネルギーマネジメント、再生可能エネルギーを活用した電力の地産地消ソリューションなどを提供する。

▲光応用検査機器事業のウェーハバンプ検査装置

「EVの急速充電器は、東京電力と共同で開発をスタートし、2009年に販売を開始したパイオニア的存在で、国内累計販売台数ナンバーワンの実績があります。高速道路のパーキングエリアや道の駅、ガソリンスタンド、カーディーラーなどに設置され、短時間で充電する必要があるため、高出力が求められます。その要望にお応えし、この春までには、CHAdeMO規格で世界初の一口最大出力350kW(総出力400kW)の、次世代超急速充電器『SERA─400』を発売予定です」(同氏)

「光応用検査機器事業」の売上比率は約2%。最先端の光応用技術を活用し、パソコンやスマートフォン、AIなどに搭載される高性能CPUのパッケージ基板検査装置を提供している。特に、最先端パッケージ基板向けバンプ検査装置では、国内トップシェアを有する。

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