“京都発”賃貸住宅の仲介・管理会社 エリッツホールディングス 【5533・スタンダード市場】

不動産業界の常識を変えた、システム活用
仲介メインに管理拡大、営業利益率は17%

京都を拠点に近畿圏で、賃貸住宅の仲介、管理、周辺事業を展開しているのがエリッツホールディングスだ。賃貸系の上場不動産会社の多くは、サブリースや収益物件の販売を主力としているケースが多いが、同社は仲介をメインとして管理との2本柱での経営が特長だ。また、従来の不動産業界の常識を変えた様々な取り組みで差別化を図ってきた。2023年6月にスタンダード市場への上場を果たした後も、順調に実績を伸ばしている。
エリッツホールディングス-槇野 常美

槇野 常美(まきの・つねみ)

社長

1960年10月徳島県生まれ。京都市にて不動産営業を経て86年に独立、不動産仲介業と不動産管理業の両輪で事業を拡大し、2012年にエリッツホールディングスを設立。23年に東京証券取引所スタンダード市場に上場。

賃貸仲介・管理を柱に
3つの事業セグメントを展開

同社の2025年9月期の業績予想は、売上高が62億3000万円、営業利益は10億6600万円。仲介や管理といった“手数料”を扱うビジネスのため、スケール感は小さく見えるが、売上高営業利益率は17%と高い。なお、売上高は前期比6・8%増、営業利益は同10・1%増と増収増益を見込む。

同社の事業セグメントは3つ。1つ目は、全体の売上の約半分を占め、今期計画では31億7500万円を見込む「不動産仲介事業」だ。その主力は賃貸住宅の仲介。近畿圏で年間2万400件を扱う。2つ目の「不動産管理事業」は、2万9000戸を管理する(いずれも25年9月期の計画値)。不動産管理事業の今期計画売上は23億800万円、セグメント割合は37%を占める。そして3つ目が「居住者サポート事業」で、仲介・管理事業に関連した保険やインフラ取次、引越し、シェアサイクルなどのサービスを展開する。今期売上高は7億4500万円を見込み、セグメント割合は12%だ。


同社の槇野常美社長が語る。

「現在の店舗数は約70店舗。営業エリアは京都、滋賀、奈良、大阪、兵庫の2府3県です。そのうち本拠地の京都が36店舗と圧倒的に多くなっていますが、滋賀14店舗、奈良8店舗も県内の主要エリアをカバーしています。目下、展開を進めているのが大阪と兵庫で、大阪は11店舗、兵庫は3店舗を出店済みです」

多店舗展開をしているため、従業員数は全社で392名に上る。そのうち不動産仲介部門が245名と、6割強を占める(24年9月30日時点)。

 

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