独立系商社で売上トップ級
部品・用品在庫は3万点以上
ブレーキやフィルター、電装品など、「車検」でよく交換されるパーツを取り扱うのがSPKだ。同社はモビリティ部品の専門商社として、自動車はもちろん、産業・建設機械の部品・用品を取り扱っている。2025年3月期の売上高は687億2000万円(前期比8・6%増)、営業利益は33億1100万円(同5・3%増)といずれも過去最高となった。
自動車部品商社には、自動車メーカーの系列企業として純正部品などを扱う商社と、メーカーを問わず幅広く取り扱う独立系商社の2種類がある。同社は後者で、独立系商社の中でも国内トップクラスの売上を誇る。
「当社は、景気の波に左右される自動車OEM系とは異なります。世の中で自動車が走っている限り補修部品の需要がありますので、当社の業績は安定成長しています」(沖恭一郎社長)
同社は4つのセグメントにわたって事業を展開。まず売上比率の45%を占めるのが「国内営業本部」だ。同本部では、国産車・輸入車の補修用部品・用品の在庫を3万点以上持ち、全国にある部品商など1000社以上に対し供給。そこから全国数万軒の整備工場に部品・用品が行き渡っている。
「国内には約8000万台の自動車が走っているとされ、それらを対象としたアフターマーケットの市場規模は、部品・用品とサービスを含め末端で約20兆円と言われています。うち、部品・用品の市場に限れば約3兆円とされています」(同氏)
売上比率37%を占める「海外営業本部」では、アジアや中南米、北米、中近東、欧州など世界80カ国・350社以上の顧客に、国産車用の補修部品を中心に供給。目下で海外への中古車輸出や現地での日本車販売が年々増す中、同社の海外営業本部の売上高も大きく伸長している。なお海外営業本部の売上高は、23年3月期181億9500万円から25年3月期253億4200万円と、2年で70億円以上増えた。
「日本には厳正な車検制度があり、また道路・使用環境負荷が低いことから、品質の良い日本の中古車が毎年100万台以上輸出されています。我々の使命は過酷な環境下で自動車を使っている世界中の人々の生活・移動手段などを支えることです」(同氏)
売上比率11%の「工機営業本部」では、国内外のフォークリフトや農業機械メーカー、建設機械メーカーに、製造工程で組み付ける部品をOEM提供している。
そして売上比率7%を占める「CUSPA営業本部」では、自動車カスタマイズパーツなどの商品開発やオリジナルブランドを展開する。また、モータースポーツイベントやeモータースポーツ関連の取り組みも行っている。
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