八洲電機の進化と成長~80周年記念企画~ 八洲電機 【3135・プライム市場】

持続可能な社会インフラを支える、八洲電機の技術力

社会インフラの老朽化が進み、“止められない設備”の更新が各地で課題になっている。上下水道や空港など公共性の高い現場で八洲電機が指名されるのは、電機制御システム・電源システム・空調システムの3コア技術を組み合わせた、稼働を止めずに更新・改修を進める高度なエンジニアリング力があるからだ。特定メーカーに依存しないマルチベンダー体制と、現場を読み解く専門的ノウハウにより、設備ごとに異なる制約下で最適解を導き出す。同社の仕事は、社会を動かす“見えない基盤”を支えることだ。データセンター需要が高まる今、その技術はデジタル社会の根幹を担う領域へと広がっている。本稿では、八洲電機が選ばれる理由とその社会的意義に迫る。

“止めない”技術力

稼働を止めることなく更新し続けなければならない社会インフラ。同社は、この“止められない現場”で力を発揮してきた。代表的な事例は、東京都水道局における変電設備の更新工事だ。特別高圧で受電した電力を高圧に落とし、安全に配電するための設備を、浄水場や給水施設を稼働させたまま段階的に更新。長年の経験が求められる領域で、日常的に入れ替え工事を担っている。

空港もまた、24時間の連続稼働が求められる典型だ。成田国際空港では、無停電電源(UPS)設備の更新を担当。一瞬の停電も許されないため、運航に支障が出ない時間帯・エリアに細かく区切りながら、既存設備を活かしながら更新を進める。電源を“落とさずに入れ替える”この高度な技術こそ、同社が評価されてきた理由だ。

同社が活躍するのは更新の現場だけではない。都市の再開発や大型施設の新設が相次ぐ中、省エネ性能の高い変圧器をさまざまな施設に納入。その施設が目指す環境配慮や長期的な運用維持に貢献し、建物のライフサイクル全体を見据えた電源計画の実現を支えている。

近年、特に同社の強みが活きるのがデータセンターだ。日立グループの国内最大の特約店として電算機用空冷式空調機に長年携わってきた知見は、大規模データセンターの冷却ニーズと親和性が高い。2015年にはシュナイダーエレクトリック社と提携し、データセンター向け大型水冷式空調機を展開。さらに、GPUサーバー時代に必須となる液冷ソリューション(Cool It systems社製)も今年スタートし、冷却の“3本柱”を確立した。電機制御の技術を活かして空調自動制御事業にも参入し、対応企業が限られる分野で存在感を高めることを目指している。

設備と設備をつなぐ、信頼の技術

八洲電機が多様な社会インフラ事業者から信頼される理由は、高度なエンジニアリング力にある。

老朽化設備のリニューアルにおいて、単に機器を設置するだけではなく、既設の設備に最も適した設備を選び抜き、老朽設備と新設設備を最適な形でつなぎ、既設の施設の稼働を止めずに改修するのは容易ではない。これは特定メーカーに縛られないマルチベンダー体制を活かし、日立製作所をはじめとした複数メーカーの製品を組み合わせ、顧客ごとに最適なシステムを提案できるからこそ実現できることである。既設設備の状態を詳細に分析し、最適な機器を組み合わせる高度な設計・施工のプロセスは、単なる販売にとどまらないエンジニアリング会社としての矜持そのものだ。

この強みがあるからこそ、水道施設や空港、都市開発といった多様な現場で成果を上げられる。稼働し続ける設備の更新や、省エネ・長寿命化を目指した新設設備への対応など、社会インフラの安定運用に不可欠な役割を果たしている。さらに、近年では高速道路やJRの案件も手がけるなど、取り組みの幅は広がり続けている。

八洲電機の提供する無形のソリューションは、目に見える製品ではない。しかし、その社会的意義は明確だ。止まることが許されない社会インフラを確実に稼働させ、効率化や省エネにも貢献する。このモノづくりと現地工事の“間をつなぐ力”こそ、同社が長年にわたり社会から必要とされ、信頼され続ける理由であり、八洲電機の技術の真価だ。

八洲電機(3153・P)

本社所在地 東京都港区新橋
事業内容 電気・電子機器の販売、産業設備の設計施工
主要セグメント プラント事業、公共・設備事業、交通事業
2025年3月期売上高 約660億円
2025年3月期経常利益 約53億円
上場市場 東京証券取引所プライム市場
サステナビリティ 健康経営優良法人認定
従業員数 約1,000名(連結)

https://www.yashimadenki.co.jp/

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