グローバル規模約7・5兆円
年成長率は約5%
1961年に創業した同社は、1970年代から海外市場へ進出。現在は売上高の約30%を海外で占めている。近年は海外の大手高級ペットフードメーカーを顧客とし、欧州・北米・中国・ASEANなど15カ国に納入している。
同社を取り巻く包装機械市場の世界規模は2023年時点で約512億ドル(約7・5兆円)といわれ(※1)、年平均成長率(CAGR)4〜5%で拡大する有望市場だ(※2)。そのうちアジア太平洋地域は40%近くを占めているといわれ、食品加工・流通の高度化に伴い、包装機への投資が活発化している。中でも中国、インド、東南アジア諸国は、生産・消費の両面で大きな成長が期待されている。
※1 世界市場規模(2023年): 512億5,000万米ドル
(出典:包装機械市場規模、シェア、現在のシナリオレポート、2032年)
※2 世界CAGR:約 4.1~5.5%/年
(出典:MarketsandMarketsグランドビューリサーチMarket Research Future)
同社の海外市場開拓においては、特に食品安全への関心が高まる中で、日本製機器への信頼性が追い風となっている。
例えば、ASEAN地域では包装機械市場が年平均6%前後の成長を続けており、今後5年で1・5倍規模への拡大が見込まれる。ゼネラルパッカーも、展示会出展やパートナー企業との協業を通じて、着実に販路を広げており、グローバル市場での競争力を高めているのだ。
国内では人手不足が追い風
高精度・高機能化で差別化
一方、国内に目を転じてみると、日本の包装機械市場は約4350億円規模と言われている(※3)。成長率は緩やかであるものの、設備の老朽化に伴う更新需要や人手不足対策としての自動化ニーズが底堅く、安定した市場性を保っている。
※3 日本国内市場規模(包装関連機械生産額): 4350億円(2023年)
(出典: 日本包装機械工業会「包装機械及び荷造機械生産高・輸出入高統計資料」)
また、同社の主要顧客である国内食品市場は加工食品・冷凍食品の需要が拡大しており、これに対応する高精度・高衛生対応型の包装機に対する投資が継続している。特にHACCP対応が義務化されたことで、包装機械に求められる機能も高度化しており、同社の製品群はこうした需要に的確に対応している。
環境対応の観点からも包装業界は大きな転換期を迎えている。プラスチック使用量の削減、紙やバイオマス素材への転換といった潮流により、包装材だけでなく、これに対応できる包装機械の開発が求められている。同社は、こうした素材特性に対応した柔軟な包装システムや、リサイクル性を損なわないシーリング技術の開発などにも積極的に取り組んでいる。
このように、国内市場では安定した設備更新・省人化需要、海外市場では旺盛な成長性、さらに環境対応やスマートファクトリー化といった新たな価値創出が求められる中で、ゼネラルパッカーは高度な技術と対応力を武器に着実に成長している。今後も同社は、包装機材メーカーとして社会課題と産業ニーズを同時に解決する存在として、企業価値を高めていきたいという。