中四国に初進出、環境と物流の最先端を融合した
「岡山CONNECT物流センター」始動
計約3万トンの収容能力
「2024年問題」への対応も
同施設の敷地面積は約2・3万㎡、延床面積は約2・8万㎡、合計約3万トンの収容能力を誇る。L字型のトラックバースを28基備え、多様な車両・ニーズに対応。複数の温度帯を備えた冷蔵・冷凍設備や、移動ラックによる高効率収納など、最先端の物流ニーズに応える機能の充実化を図った。
同センターでは運送会社との連携によるスイッチ輸送(トラック間の積み替え)も本格的に導入し、長距離輸送の効率化とドライバー負担の軽減にも貢献する。
こうした施設整備の背景には、物流業界全体が直面する「2024年問題」への対応がある。働き方改革による時間外労働規制が強化されるなか、効率的な中継拠点の整備と地域分散型ネットワークの構築は急務となっている。同社は、この岡山センターをその最前線と位置づけ、中国・四国における物流網の中核として活用していく構えだ。
環境対応面でも注目すべき取り組みが施されている。太陽光発電設備(約635kW)や大容量蓄電池(約173kWh)を設置し、BCP(事業継続計画)にも配慮した施設設計を実現。自然冷媒の使用や陽圧デシカント空調など、省エネルギーと温室効果ガス排出削減を両立させる技術を積極的に導入している。災害時には自家発電による冷却継続やEV非常電源の活用も可能で、施設機能の維持と品質を確保できる。
国内・国外拠点を拡充
広域コールドチェーン戦略
同社は中期的に、全国各地での拠点拡充と海外進出の両輪を加速させている。今回の岡山センターに続き、北海道・恵庭、関西・夢洲第二、九州・箱崎、長岡、十勝、さらにはベトナムといったエリアで新拠点の整備を進行中だ。国内外での冷凍物流網の構築を通じて、広域コールドチェーンの最適化を追求している。
「岡山CONNECT物流センター」は、単なる施設整備にとどまらず、ヨコレイのコールドチェーン戦略における次世代モデルの象徴でもある。地理的利便性、機能的多様性、そして環境配慮を兼ね備えたこの拠点の誕生は、同社のさらなる成長と社会的価値の創出に直結するものと期待されている。