進取の気性が導いた
成長の軌跡
創業は、戦後の混乱期にあった1947年。旧三菱商事の解散に伴い、その門司支店を母体に設立された。当時需要の高まっていた石炭の輸送に使用される、三菱重工製の「炭車」を取り扱ったことが始まりだ。高度経済成長期には火力発電所の建設が本格化し、同社は三菱重工の代理店としてエネルギー関連事業に参画。西日本の産業再建を支える橋渡し役として、社会に欠かせない役割を担ってきた。
一方、関西を中心に栄えた繊維業にもいち早く注目。帝人、東洋紡、東レ、クラレなどの製造ラインに関わる機械を取り扱い、海外メーカーの優れた技術を積極的に導入。その一環として1954年には初の海外駐在員事務所を西ドイツに設置。当時、世界最先端の産業機械を誇ったドイツに早くから目を向け、現地の技術と情報を日本の産業界に還元した。こうした取り組みは、戦後日本の産業構造の転換を支え、現在に続く産業機械分野の礎を築いた。1961年には株式を東証一部に上場。変化を先取りし、時代の先を読む「進取の気性」こそが、西華産業を次の成長段階へ導いた原動力である。
安定と挑戦、
その両輪で未来を拓く
西華産業の現在の事業は、「エネルギー」と「産業機械」という二本柱で展開されている。エネルギー分野は西日本の火力・原子力の受け渡しを一手に担い、安定したキャッシュフローを生む。一方、産業機械は収益性の高い案件を常に追い続けている。西華産業はこのバランスを活かし、エネルギーで得た安定基盤をもとに産業機械分野で挑戦を続けている。
強みは、現場に根ざした卓越した営業力だ。社員はまず現場に入り、状況を把握した上で顧客ごとに最適な提案を行う。この姿勢が長年にわたる信頼の積み重ねを生み、三菱重工の代理店としての高い信用力と組み合わせ、2000社を超える顧客・メーカーとのネットワークを築いてきた。この基盤を活かし、エネルギー分野でも三菱以外の製品提案も行い、三方良しの関係を実現してきた。
産業機械分野では、プロセス装置や海外投資案件に自社の取引製品を投入するなど、規模の拡大を牽引。水中ポンプや気密性の高いバルブなど、インフラ向けのニッチ製品群で高い競争力を発揮している。得られたキャッシュは次の挑戦に循環され、新たな投資・成長に活かされている。
こうした安定基盤と挑戦姿勢の両輪こそ、西華産業らしさの象徴である。創業以来の進取の気性は、顧客現場での細やかな対応や挑戦的な提案の源泉となっている。
(8061・プライム)
本社所在地:東京都千代田区
代表者:櫻井昭彦
設立:1947年
資本金:67億2800万円
従業員数:連結1,077名(2025年3月31日現在)
事業内容:各種プラント、機械装置・機器類、環境保全設備、
電子情報システム機器類の販売および輸出入








