はかる×健康 長野計器 【7715・プライム市場】

ものづくりの安心・安全を、技術力で支える
食品・薬品・化粧品、医療・福祉業界にも貢献

明治29年の創業より120年以上、圧力計測のリーディングカンパニーとして歩んできた長野計器。圧力計器はあらゆるものづくりの現場に必要不可欠であり、同社の製品は安心・安全を支える裏方として多くの産業で使用されてきた。私たちの健康を支える、食品・薬品・化粧品、そして医療・福祉業界でも同社製品が活用されている。同分野は特に安心・安全・衛生面が重要視される領域であり、同社では顧客の課題に応えるべく技術を磨いてきた。

食品・薬品・化粧品分野では

衛生面追求と、高度化する装置への対応が鍵に

圧力計測専業メーカーの長野計器では、半導体、自動車、建設・土木・産業車両、FA・産業機械、建築・空調・冷凍機、船用・航空・鉄道、工業計器・プロセス計装、新エネルギーなど、あらゆる産業からの要望に応え、数万点に及ぶ幅広い製品群を開発してきた。

またセンサのコアから完成品まで、全てを自社工場で内製する技術力が同社の強みである。圧力計のシェアは国内トップ、世界でも上位を獲得している。

食品・薬品・化粧品分野のものづくりにも、同社の製品は欠かせない。カレーや煮込み料理で圧力鍋が用いられるように、食品工場においても圧力は調理時間短縮、味の凝縮、大量生産品の品質の均一化など、重要な役割を果たす。工場のタンクや容器充填器、熱交換器などで用いられる圧力計において、特に重要なのが衛生面である。

圧力計の内部に食品が滞留すれば菌の発生源になってしまう。そのため近年多くの工場で採用されているのが、食品が滞留しないよう受圧部がフラットの特殊な形状の製品群を取り揃え、さらに通常は放熱させるためのひだを用いないなど、他社に類を見ない衛生面に配慮した形状の、ユーザ要求を満たすラインナップを展開している。

そんな中「異物混入のリスクを更に減らしたい」という市場の声を受けて、同社では「封入液レス(乾式)」の機械駆動式圧力センサを開発した。一般的に食品関連で使用される計器は、オイルなどの封入液を介して圧力の増幅を測定するが、封入液を使わずに計測することを実現、安心・安全の提供にも繋がっている。

▲サニタリ端子箱式圧力センサ(SU76)

近年リリースした製品(SU76)は一見ステンレスの塊のようだが、食品付着のリスクを最大限減らすなど、業界の常識を覆す製品を次々に開発し、革新をもたらしてきた。

薬品・化粧品業界全体では、クリーンルーム内での完全自動化生産への転換が進んでいる。そういった現場においても、異物混入を防ぐ乾式センサはもちろんのこと、薬品・化粧品の製造工程に利用されるセンサや、小型化が必要な製造装置に対応するなど、より付加価値のある製品を提供、同社の技術力が発揮されている。

▲包装容器エアリークテスト装置

また長野計器グループでは、圧力計測以外の側面からも、食品・薬品・化粧品分野の「安心・安全」を支える事業を展開している。

2003年からグループ傘下に入ったフクダは、さまざまな漏れを検知する分野のリーディングカンパニー。さまざまな業界を顧客に持つが、医療品・化粧品・食品分野では包装容器の密封具合を確認できる漏れ試験装置を提供している。

医療・福祉分野では

血圧計の検査装置や舌圧計を製造

▲JMS舌圧測定器
(写真提供 ㈱ジェイ・エム・エス)

同社は多くの血圧計メーカーを顧客に抱えており、製造されている血圧計の品質チェックを行うための検査装置を長年にわたり提供してきた。「血圧計が示す圧力が正しいか」という根幹を測定する検査装置は、いわば業界の基準を定める重要な役割を果たしてきたと言える。

また、舌圧計や体動モニタなども展開する。舌圧計とは舌の運動機能を測定する機器のことだ。舌の力が低下すると嚥下(飲み込み)機能が低下し誤嚥のリスクが高まる。そのため病院や高齢者施設などでは、利用者の体調管理の一環として、血圧計や体温計などと並んで日常的に同製品を活用するようになり、近年ニーズが増加している。

▲体動モニタ

体動モニタは、新生児の微細な呼吸状態をモニタリングし、体動を感じない場合にアラームなどで知らせる装置だ。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の早期発見を目的に、主に医療現場で活用されている。同社では乳幼児の寝息ほどの極微圧から、水で鉄板を切断するほどの超高圧まで全てをカバーする製品群を揃えており、医療・福祉分野では特に「極微圧」を検知する技術が役立っている。

創造と極限への挑戦で総を啓く

難題に技術で応え、各産業の発展に貢献

同社の社是の一つに、「創造と極限への挑戦で総(みな)を啓(ひら)く」がある。同社ではこれまで、さまざまな業界の顧客が抱える難題に技術力で応え、産業の発展に貢献してきた。

食品・薬品・化粧品、医療・福祉分野においても、製造工程の技術革新とともに、より過酷な環境や小型化に対応した製品が求められている。同社では今後も、ものづくりへのあくなき探求心を礎に難易度の高い製品開発に挑んでいく。

超高圧から極微圧まで

創業は明治29年。圧力計や圧力センサを中心とする各種センサなどの精密機器を開発・製造・販売。圧力計では国内シェア60%、世界シェア20%を占める。近年では半導体向けが伸長しているほか、新エネルギー分野では業界に先駆けて研究開発を進めている。

(7715・プライム)

東京都大田区東馬込一丁目30番4号

https://www.naganokeiki.co.jp/

ログイン SEARCH