自動車用フィルター製造・販売 エイケン工業 【7265・スタンダード市場】

「Made in Japan」で品質にこだわり
輸出開始40年で海外売上が国内を逆転へ

エイケン工業は、自動車やバイクの内燃機関用フィルターや産業用特殊フィルターの専門メーカー。静岡県御前崎市に本社を構え、創業57年を迎える同社は、国内生産にこだわり、「メイドインジャパン」の製品を海外へも販売してきた。2~3年前に国内と海外の売上高が並び、2025年10月期は遂に海外売上高が国内売上高を上回る予定。売上高80億円到達を目前に控え、売上高100億円を中長期の目標に据えている。
エイケン工業-宮治 友博

宮治 友博(みやじ・ともひろ)

社長

1970年11月生まれ、愛知県出身。93年大同工業大学(現:大同大学)工学部卒業。瑞穂スプリング製作所にてマレーシアや竹伸精密にて中国で勤務。2018年にエイケン工業入社。19年貿易部長、21年取締役貿易部長、23年常務取締役、24年取締役副社長を経て、25年代表取締役社長に就任(現任)。

OEMで市販メーカーに提供
海外ではオリジナルブランド展開

同社は1969年に神奈川で設立。71年には現在の静岡県御前崎市(旧:浜岡町)に工場を新設し、翌年には本社も同地に移転。以後、現在までに本社・工場を集約し、一気通貫経営を進めている。80年代以降は海外への輸出も行っている。

主力製品は、自動車を中心に、バイク、建設機械、農業機械、産業機械などで使用されるフィルターだ。

自動車用フィルターは、メーカーの生産ラインやカーディーラーに製品を供給する純正品と、カーショップ・ガソリンスタンド・整備工場へ販売を行う市販品に大別される。同社は国内ではOEMメーカーとして、同業の純正・市販メーカーへの製品提供や部品供給を行うほか、カーショップ・ガソリンスタンド・卸商社・石油元売商社・自動車部品卸商社・建設機械用フィルターメーカーへ製品を卸すなど、幅広い販路を確立している。

海外に向けては、日本車に対応したオリジナルブランド「vic」を約40年前から展開する。欧州・アジア・アフリカ・中東・中南米などに拡販してきた。

同社はまた、厨房機器用バーナーやコインランドリー向けバーナーの燃焼機器事業、新規事業としてテントサウナなども手掛けている。

24年10月期の売上高は前期比7・2%増の72億8400万円、営業利益は同140・3%増の2億7900万円。 売上高の96%を占めるフィルター部門は、国内・海外ともに売上が増加。また売上増、商品仕入れ高の減少、販売価格改定が要因となり、利益面で大幅な伸長を果たした。進行中の25年10月期は、国内では商社向けの売上が増加。海外ではアジア向けが増加し、第2四半期の売上高は前年同期比14・3%増、営業利益は同118・2%増で着地した。

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