業務用ドレッシング、サラダ・総菜などの開発・販売 ケンコーマヨネーズ 【2915・プライム市場】

外食・中食業界の課題解決で1300商品開発
生産体制効率化や新規事業で利益率向上図る

ケンコーマヨネーズは、業務用マヨネーズに代表される商品を、飲食店チェーンやコンビニなどに広く提供する企業だ。同社はマヨネーズのみならず、外食・中食企業が抱える課題に常に向き合い、解決できる商品を生み出し成長を遂げてきた。足元の商品数はドレッシング類やサラダ・総菜類、タマゴ加工品なども加え1300超。今後はさらなる売上拡大や利益率向上を目指し、生産体制効率化、新規事業などを推進していく。
ケンコーマヨネーズ-島本 国一

島本 国一(しまもと くにかず)

社長

1965年12月生まれ、長崎県出身。長崎大学水産学部卒業。88年ケンコーマヨネーズ入社。商品開発にてロングライフサラダの開発を中心に総菜分野で開発リーダーとして従事。2011年に取締役(商品開発部門 部門長)。その後、購買本部や生産部門などを経て、21年6月に取締役商品開発本部担当に就任。23年6月に代表取締役社長に就任(現任)。

3つの事業組織を形成
総菜開発の連結子会社が9社

ケンコーマヨネーズグループは、3つの事業組織から成り立つ。

まず、「ケンコーマヨネーズ」本体が手掛ける「調味料・加工食品事業」だ。業務用のマヨネーズ・ドレッシング類をはじめ、サラダ・総菜類、タマゴ加工品のメーカー機能を持つ。

次に、連結子会社が対象となる「総菜関連事業等」。バリエーションに富んだフレッシュなサラダ・総菜類のメニューを開発し、地域の食品スーパーなどに卸している。

そして、「サラダカフェ事業」だ。一般消費者向けのサラダショップを全国に12店舗展開している。
「当社グループは3つの組織の間で商品と情報を循環させ、互いに補完するモデルで動いています。例えばサラダカフェでよく売れた商品を連結子会社である『ダイエットクック』に反映し、パック総菜として展開することもあります」(島本国一社長)


連結子会社については、関東を対象地域とする「関東ダイエットクック」をはじめ、9社を展開。各社、地域特性に合わせて強みを発揮している。例えば北海道白老郡にある「ダイエットクック白老」では、地元で採れたジャガイモを用いて、素材加工品からフレッシュサラダまで開発している。

また、サラダカフェでは大阪・東京・神奈川のデパ地下などに、「Salad Cafe」や「皿多屋」など5ブランドにわたり展開している。

2024年3月期の連結売上高は887億2400万円、連結営業利益は29億4900万円。売上の78%をケンコーマヨネーズ本体、21%を連結子会社、1%をサラダカフェがそれぞれ上げた。

同期における3社合計のセグメント利益は30億9900万円。そのうちケンコーマヨネーズ本体が25億7100万円、連結子会社が9億3600万円、サラダカフェを含むその他が4100万円、調整額がマイナス4億5000万円という内訳。ケンコーマヨネーズ本体の利益貢献度は高いが、一昨年は原料高騰やコロナ禍による外食不振が要因となり、連結子会社が対象となる総菜関連事業等が大きく利益貢献をした。
 

「ケンコーマヨネーズ本体の事業は、原料価格に利益が左右されやすい面があります。そうした中、近年はコロナ禍による外食不振が影響し、家庭用(中食)のほうが良いという状況もありました。子会社に利益面で助けてもらえることがあります」(同氏)

このように、外部環境の波に耐えられるよう堅固な組織体制としている。なお、同期売上高を販路別構成比で見ると、「外食」29%、「量販店」28%、「コンビニ」22%、「パン」12%、「給食」4%、「その他」5%という内訳。外食・中食の両需要をバランスよく拾えている。

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