
Part 1
グローバル規模で躍進へ
グローバル規模での躍進をにらみ、社名変更となったのが「YUSHIN」「ユキグニファクトリー」だ。
2社とも海外企業の買収を実施。これを弾みに成長戦略を描いており、注目したいところだ。
Selection 1
YUSHIN(6482・S・京都府京都市)
スウェーデン同業買収で欧州展開に本腰
「信用」を込めた社名をグローバルでも
「YUSHIN」はプラスチック成形品取出ロボットの世界首位。2025年4月1日にユーシン精機から社名変更した。同社は23年5月にスウェーデンの同業を買収しており、近年は欧米など海外でのシェア拡大に力を入れている。社名に込めた「信用有る会社でありたい」という想いを継承するとともに、グローバルでのブランド力を更に向上させる狙いだ。
同社が主力とする取出ロボットは工場の生産ラインで、プラスチック射出成形機で作られたプラスチック製品を金型から取り出す動作を行う。この動作はかつて人力が主だったものの、危険性が高いためロボットによる自動化が進んでいる。
同社は1978年に、プラスチック射出成形機用取出ロボット市場へ参入。業界では最後発といえるが、高速で取り出しができるなど、他社にない商品を展開してシェアを拡大させていった。現在は、自動車や医療、エレクトロニクス、雑貨などあらゆる産業向けにロボットを展開。売上高はここ20年で2桁減収となった期は1度しかなく、「あらゆる産業でプラスチックの部品は使われているため、ひとつの産業の好不況に左右されにくい」(小谷高代社長)という。
2024年3月期は売上高が前期比5・6%増の236億1500万円で過去最高。営業利益は原材料費高騰や人的資本投資増加などで同7・7%減の24億3700万円だったが、営業利益率は10・3%と長年2桁を維持している。今後も人手不足を背景とした生産自動化ニーズは高まるとされ、足元は堅調な見込み。
こうした中、同社はグローバル市場でのシェア拡大に努めている。同社初の海外M&AとなったスウェーデンWEMO社は、北欧で高いシェアを持つ。WEMO社の傘下入りによって、欧州市場での拡販や技術力・購買力の相互活用などを行う。
また、特長である商品力も強化する。20年から本格展開するパレタイジングロボットは、食品業界などを中心に受注が進む。近年は同ロボットの新モデルを次々発売しており、さらなる顧客獲得を図っている。
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