新中期経営計画10社

新中期経営計画10社

パイロットコーポレーション(7846・P・東京都中央区)
海外事業拡大、非筆記具事業強化の2本柱で
グローバル筆記具市場ナンバーワンを目指す

パイロットコーポレーションでは2022年に「2030年ビジョン」を策定し、「グローバル筆記具市場ナンバーワン」、「非筆記具事業を第2の柱として成長(売上高構成比25%にする)」、「環境・社会・従業員への価値提供」の3つを目標として掲げた。同ビジョンに向け基盤構築を行った前中計を受けて、25~27年の新中期経営計画では、経営課題のうち「筆記具事業のグローバルシェアアップ」「非筆記具事業の体制強化」を2本柱として強化していく。27年12月期には売上高1450億円、営業利益率16%以上を目指す。

1918年に国内初の純国産万年筆を製造・販売したことが同社の始まり。現在では総合筆記具メーカーとして、190以上の国と地域で様々な筆記具を販売する。

2024年12月期の売上高は1261億6800万円(前期比6・4%増)、そのうち国内が303億1200万円(同4・8%増)、海外が958億5500万円(同6・9%増)だった。過去最高の売上高を達成したものの、主に調整額が前期を下回ったことで営業利益は178億500万円(同6・3%減)と減益となった。中期経営計画に基づく事業別実績では、筆記具事業の売上高は1130億300万円 (同6・3%増)、非筆記具事業の売上高は131億6500万円(同6・9%増)だった。年間配当は前期より17円増の117円で9期連続増配。同社では「総還元性向50%以上」を新たな目標とし、株主還元をさらに強化していく。

新中期経営計画の具体的なアクションとして、グローバルシェアアップについては、累計販売47億本の消せるボールペン「フリクションシリーズ」の欧州市場向け新商品投入、日本と東アジアで展開する新機能搭載の蛍光ペン「キレーナ」の全世界販売など、優位性のある新製品を創出・投入。前中計で販売拠点・生産拠点を設置したインド・ASEANといった成長市場への営業力強化・製品投入を行う。非筆記具事業については、「メルちゃん」「アヒル隊長」といったオリジナルキャラクターのIPビジネスを強化し、海外市場にも玩具を投入して定着を図る。また、フリクションペンでも使用されているインキを使った絵本「いろがかわってあそべるえほん」など、23年設置の「未来創造室」が公開するプラットフォーム「PILABOT」をハブとして新たな事業も推進する。

そのほか、現中計と次期中計では「M&Aや提携を加速」、情報へのアクセスと分析がタイムリーに可能な「新基幹システムの28年稼働」を目指し構築・導入準備に取り組む。また、海外販売拠点における在庫水準の適正化などで「グローバルサプライチェーンの再構築」も図る。

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