
タカラスタンダード(7981・P・大阪府大阪市)
独自の高品位ホーローによる設備機器を展開
成長見込むリフォーム市場に経営資源を集中
住宅市場は年々新築着工数が減少しており、今後も市場は縮小が見込まれている。ピークに年間160万戸以上あった新築着工数はすでに80万戸を割り込んでおり、今後60万戸まで減少する予測もある。一方でリフォーム市場も年率2%程度の成長しか見込まれておらず、住宅マーケットは全体に厳しい状況が続きそうだ。こうした状況で、キッチン、バスなどの住宅設備機器を扱う大手のタカラスタンダードが堅調に業績を伸ばしている。
「高品位ホーロー」を使った製品を展開する同社の2025年3月期の売上高は、前期比3・7%増の2433億8000万円と4期連続で過去最高を達成。営業利益は前期比25・8%増の156億3500万円だった。市場低迷している新築住宅市場でも。比較的需要が底堅い都市部においてシェアを伸ばしたことに加えて、リフォームニーズを取り込み売上を伸ばした。
同社の25年3月期の売上構成比は、新築65・5%に対しリフォーム29・9%だったが、同社は持続的な成長に向けてリフォーム市場の事業拡大に注力し、売上構成比を高めていく。具体的にはリフォーム向け製品の生産能力増強、都市部でマンションリフォーム専用部署を設立するなどバックアップ体制強化、商品力強化、営業活動のデジタル活用、CRM体制強化、中高級品拡販などに経営資源を集中させる。
一方、新築市場では、売上高維持と利益率向上を目指す。特に、業界シェアトップのシステムキッチンに対し、後発で業界シェア3位、拡大の余地が大きいシステムバス製品の強化を行い、市場縮小の中での売上維持を図る。28年4月には約400億円投資する福岡工場の新棟が稼働予定で、ホーロー浴室パネル生産台数を24年3月期の年11万台から31年3月期には約1・5倍の16万台にし、売上高200億円増を見込む。
同社初の海外拠点「台湾支店」を設立するなど、海外での売上拡大にも取り組み、31年3月期には海外売上高100億円を目指す。また、オープンイノベーションで協賛企業と組み、新たな事業の創出も図っていく。ホーロー工場全体の生産能力も向上させ、31年3月期には売上高2700億円、営業利益270億円を目指す。
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