生活者視点で価値を再構築する
同社は、新中期経営計画の策定にあたり、人生100年時代の価値観変化を見据えて事業ドメインを「LIFE STYLE領域」と「WORK STYLE領域」の2つに再定義した。長くなる“生きる時間”のなかで、暮らしと働くことの双方が生活満足度に大きく影響するという前提に立ち、日常全体の意思決定を支える視点を強化している。
「人生においては、日々の暮らしだけでなく『仕事』にも多くの時間を費やします。ユーザーの満足度を高めていくためには、働き方そのものをより良くしていくことも欠かせません。事業の提供価値を広げていくことにこそ、当社の成長のチャンスがあると考えています」(成田社長)
同社はこれまで、物件情報を横断的に検索できる「ニフティ不動産」や、全国の日帰り温浴施設情報を検索できる「ニフティ温泉」など、生活の要所を支えるサービスを展開してきた。これらのサービスは、今まさに利用者の意思決定により深く寄り添う方向へと変革中だ。単なる“点”の情報提供から、生活に寄り添う“線”の価値へと広がりつつある。
LIFESTYLE領域の進化
「AI時代を迎え、今、生活の在り方そのものがどんどん変わっています。今後は“情報を探す”だけのサービスは成り立たなくなる。そこでLIFESTYLE領域では、従来の“探す(サーチ)”中心の情報提供から、利用者の悩みや課題に応える“相談(アドバイス)”型への進化を進めています」(成田社長)
たとえば、家探しは、就職・結婚・出産・介護などのライフイベントの変化に伴うケースが多いため、不安や悩みが生まれやすい。そこで同社の「住まい探し」の分野では、AI活用も視野に入れた相談サービスを検討。また「日帰り温浴施設探し」の分野ではリアル店舗で占いサービスを開始するなど、潜在的な悩みに寄り添う取り組みも進む。
さらに、M&Aによる価値拡張も加速。完全子会社化した株式会社ドアーズ社は、外壁塗装のマッチングサービスから、元請けとして施工までをワンストップで担う体制に進化。建設業許可の取得により、戸建住宅に加えビルやマンションへの事業拡張も視野に入り、ユーザーの本質ニーズにより直接応えられるようになった。情報ポータル型から相談・伴走型のエージェント型へのシフトは、同社の進化の象徴だ。
探索─1000万LIFESTYLE ID構想
成長戦略の中核は、登録ユーザー基盤(LIFESTYLE ID)の拡大だ。現在、サービス横断で使えるIDは約200万弱で、2030年までに1000万IDを目標としている。一方で、サービス全体には月間延べ1000万の利用者が訪れており、この接点を登録ユーザーへつなげることが次の成長の鍵となる。
ID基盤の拡大により、生活者の行動や悩みを深く理解し、相談サービスや会員向け付加価値、課金モデルなど、個々の意思決定に寄り添う価値提供を積み上げやすくなる。また、この探索を加速させる手段として、M&Aやアライアンスも活用。不足する機能や専門性を外部から取り込み、生活者にとっての利便性と満足度を高めるサービス設計を進めている。
長期成長を支える進化と探索
成田社長は、新中期経営計画で掲げた2030年3月期の定量目標(売上高120億円、営業利益20億円、ROE15%以上)について、
「売上成長はもちろん、株主還元につなげる利益成長も重要です。また、手元現預金を活用した成長投資の推進等により、ROE15%を目途に資本効率も高めていければと考えています」
と説明。利益成長から株主還元、長期的な企業価値向上へとつながるストーリーを描き、進化と探索を両立させながら着実な長期成長を目指す姿勢を示した。
「ユーザーが使い続けてくれるよう満足度を高めること自体が、ビジネスの成長につながります。時代の変化、生活形態の変化に適応し、耐えうる企業になるために、ユーザーファーストを貫き、進化と探索を続けていくことが不可欠だと考えています」(同氏)
ニフティライフスタイル(4262・G)
本社所在地 東京都中野区
設立 2018年 資本金 1,268百万円(2025年9月末)
事業内容行動支援サービス事業(LIFE STYLE領域・WORK STYLE領域)









