デュアルタップ 【3469・スタンダード市場】

20年、“都市の価値”を磨き続けて

「XEBEC(ジーベック)」シリーズをはじめとする投資用マンションの企画・開発・分譲から、賃貸管理・建物管理、さらにマレーシアを中心とした海外でのストックビジネスまで一貫して手がける株式会社デュアルタップ。創業から20年にわたり、都市の資産価値を磨き続けてきた同社が、次に見据えるのは“暮らし”そのものの再定義だ。資産としての不動産を、より豊かな暮らしの器へ。“人生に寄り添う企業”として、次の20年を見据えている。
デュアルタップ-臼井 貴弘

臼井 貴弘(うすい・たかひろ)

社長

1977年東京都生まれ、本籍地名古屋。2006年に株式会社デュアルタップを設立、代表取締役に就任。2012年に海外不動産事業、2015年に建物管理事業を開始。設立から10年で東京証券取引所に上場し、2024年には名古屋証券取引所にも重複上場。著書に『見方を変えれば七変化 不動産を活用したライフプランのすゝめ』。

成長の軌跡「市場を読む眼」
で事業を創る力

▲自社で企画開発から手がけたマンションの外観

2006年、デュアルタップは「23区×駅徒歩10分×高機能」という明確なコンセプトのもと、資産運用型マンション「XEBEC」シリーズの開発を開始した。「XEBEC」とは小型帆船を意味し、コンパクトでも機能的で、オーナーも住む人も誇れるマンションを提供するという想いを込めた名前である。ワンルーム中心ながら高機能・高品質を追求し、利便性と資産価値を両立した物件は、発売当初から市場で注目を集めた。

創業から累計80棟を供給。不動産投資市場の拡大とともに急成長を遂げた。上場前は個人向け販売が中心だったが、会社の利益だけでなく購入者の資産価値を重視する姿勢を貫き、金融商品としての価値を高めることを意識していた。

2016年の上場を契機に、法人やREIT向け1棟販売へ拡大。信用力を背景にBtoB取引を拡充する一方、賃貸管理・建物管理までを自社で担う一貫体制を確立した。入居率99・6%(2025年6月期)という実績は、オーナーにとっての安心と誇りの証。
築年数を重ねても資産価値が保たれる“持って誇れるマンション”を実現している。

2018年以降、融資規制や市場環境を見据え、短期的な利益追求ではなくリスクを抑えた収益基盤づくりに舵を切った。個人向け販売の抑制、法人向け事業の拡大、海外でのストックビジネスを強化するなど、市場環境に応じた事業ポートフォリオの見直しを進めながら、資産価値創造という変わらない軸を守り続けている。

「私たちは常に、オーナー、そして入居者が誇れる物件を提供することを軸に事業を展開してきました。同時に、その時々の市場環境に合わせて事業ポートフォリオを見直し、“次の安定軸”を築いてきたことも当社の強みです。金融商品としての価値を保ちながら、都市に持続する価値を創ることが私たちの使命です」(臼井貴弘社長)

今、築いている価値
“点”を“線”に変える挑戦

2023年8月に発表した中期3か年計画(2024年6月期~26年6月期)は、今後の成長に向けた地盤固めの期間にあたり、「ホップ・ステップ・ジャンプ」のホップ期に位置づけられる。安定した財務基盤を確立することを最優先に、個人向け直販の再拡充、賃貸・建物管理の充実、海外(マレーシア)でのストックビジネス強化に取り組んでいる。単に物件を販売して終わるのではなく、賃貸・建物管理事業を通じてオーナーや入居者との関係を継続させ、“点”を“線”に変える取り組みだ。

販売物件に留まらず、管理物件の価値向上にも力を注いでおり、2025年6月にはスマートリング「EVERING(エブリング)」を導入するなど、先端技術を活用して入居者の利便性向上と資産価値の維持に取り組んでいる。こうした取り組みは、オーナーや入居者に継続的な価値を提供する“線”の具体例であり、長期ビジョン「『医・食・住・遊』を展開するコングロマリット企業へ」の布石でもある。

海外事業でも挑戦を続ける。マレーシアでは、急成長する不動産市場を背景に、子会社DBM社を中心に建物管理事業を加速。G7PROPERTIES社との資本提携により、現地での管理事業の対応力を強化し、ストックビジネスの拡張に取り組んでいる。

一方で、どんなに時代や市場が変わっても、変わらない軸がある。オーナー自身が誇れ、入居者も誇れる物件をつくることだ。近年、建築資材や人件費の高騰など、不動産業界を取り巻く環境は大きく変化している。しかし同社に「XEBEC」シリーズをグレードダウンさせる発想はない。外資系高級ホテルを思わせる高品質な意匠や、建物の顔となるエントランス・共用部の上質感など、細部にまでこだわり抜く。

「もっと利益を重視して効率化することも可能ですが、それではオーナーや入居者の幸せにつながらない。当社が提供するのは、保有する人も住む人も誇れる、長く愛される資産価値です。これが、創業以来変わらない私たちの信念です」(同氏)

資産価値から
暮らしの価値へ

長期ビジョンは「『医・食・住・遊』を展開するコングロマリット企業へ」。単なる資産運用型マンションの提供に留まらず、都市生活に新たな価値を生み出す取り組みを進めている。これまで培ってきた不動産の“ハード”としての強みを、今後は“ソフト(暮らしの提案)”へと広げ、入居者やオーナーにとっての暮らしの価値創出を目指す。

国内では、駅近物件を中心にBtoB向けの販売戦略を維持しながら、ホテルや長期滞在型施設など、多様な都市型資産モデルの検討も進めている。「XEBEC」シリーズの高品質・高機能という特長を守りつつ、金融商品としての不動産価値の維持にも注力している。また、建物管理戸数は、前期(2025年6月期)に2759戸を達成。今期(2026年6月期)は、10月末時点で3000戸を超え、期末目標の3359戸も確実に見込まれる水準で推移している。今後は、M&Aを含む戦略的施策と管理体制のさらなる拡充を進め、将来的には1万戸規模を見据えた成長を目指している。

海外での事業経験やノウハウは、国内の管理・開発事業にも還流させ、より高度な資産運用支援や暮らしの価値向上につなげていく。

「これまで培ってきた“ハード(不動産)”の強みを、今後は“ソフト(暮らしの提案)”へと広げていく考えです。不動産を通じて人の人生に寄り添う企業でありたいと思っています」(同氏)

こうしてデュアルタップは、単なる資産価値提供にとどまらず、入居者・オーナーの双方の“暮らしの価値”を生み出す企業として、長期的な成長と社会的価値の拡大を目指している。

次の20年、“資産”と“暮らし”をつなぐ企業として、進化の帆を上げている。

デュアルタップ(3469・S)

Dualtap Co.,Ltd.

東京都中央区日本橋久松町4-7

https://www.dualtap.co.jp/

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