「見えないところに、マクセルの技術」
アナログコア技術で未来をひらく総合技術企業

 

世界初・国内初の製品多数
乾電池・磁気テープの世界ブランド

マクセルは、1961年に創業以来、60年以上にわたって日本の技術力を支えてきた技術志向型企業だ。
創業当初からエネルギー分野(乾電池)と記録メディア(磁気テープ)を成長の両輪とし、1970年代にはオーディオカセットテープやビデオテープなどで世界的なブランドとして広く認知された。その後、時代とともに需要の構造が変化する中で、同社は事業領域を柔軟に拡大、転換してきた。電池、産業用部材、電気・電子部品といった分野に軸足を移しながら、現在は「エネルギー」「機能性部材料」「光学・システム」の3つのセグメントを中核事業としている。

同社の最大の強みは、「アナログコア技術」と呼ばれる、独自に培ってきた高精度・高信頼性技術にある。
これは「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」の3技術から成り、製品の内部、すなわち“目に見えないところ”で、性能や安全性などを支える基盤技術だ。たとえば電池を有するエネルギー事業においては、自動車の電子部品や医療機器、モバイル端末の内部部品などの特に安全性や安定性が重要視される分野で、同社の技術は極めて高く評価されている。

エネルギー事業、再構築の大改革
「全固体電池」量産体制確立

近年は、構造改革と成長投資を並行して進めているが、特にエネルギーセグメントの変革が顕著だ。
2025年5月には、事業の選択と集中を進める一環として、長年主力製品であった角形リチウムイオン電池の生産を終了。汎用用途での価格競争が激化する中で、収益性の高い領域に経営資源を集中する方針を明確にした。

その一方で、2025年度中には村田製作所からマイクロ一次電池事業を譲受予定。この事業は医療用ウェアラブル機器やIoTデバイスなど、小型・高信頼性が求められる分野を中心に成長が見込まれており、マクセルのアナログコア技術との高い親和性が期待されている。今後は、自社の強みを活かしながら製品群の高付加価値化を図り、グローバルな医療・自動車市場でのプレゼンス拡大を目指していく。

医療機器用一次電池使用イメージ

同社はまた、次世代のエネルギーデバイスとして注目を集める「全固体電池」にも早期から取り組み、2023年度には量産体制を確立した。液体の電解質に代わって固体材料電解質を用いることで、高い安全性とエネルギー密度を両立。同社は、長寿命、高耐熱などの特性を活かし、工場の自動化(FA:Factory Automation)、滅菌を必要とする医療機器、ウェアラブルデバイスなど全固体電池でなければならない用途への展開を進めている。

全固体電池
タイヤ空気圧監視システムに使われる耐熱コイン形CR電池

 

中期経営計画で描く持続的成長
更なる企業価値向上目指す

こうした事業戦略を支えているのが、中期経営計画「MEX26」だ。同計画のキャッシュアロケーションとして「収益成長のための成長投資350億円」「資本効率向上に向けた総還元性向100%以上」を掲げ、2026年度には売上高1500億円、営業利益120億円の達成を目指している。日本およびアジアの営業・製造拠点のほか、欧州・北米などにも営業拠点があり、グローバルで主要市場への展開にも注力。ワールドワイドでの価値創造を視野に入れている。

「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」──この企業理念のもと、マクセルは、テクノロジーによる革新と社会課題の解決を両立させながら、持続可能な社会の実現とさらなる企業価値の向上を目指している。

 

 

 

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