食品用トレー・容器のトップメーカー エフピコ 【7947・プライム市場】

製品開発・安定供給を強みに16期連続増収へ
M&Aで資材問屋との物流ネットワーク増強

エフピコは、スーパーマーケットやコンビニで使われる食品用トレー・容器で、国内シェア3割を占める最大手メーカーだ。顧客ニーズを捉えた製品開発と徹底した安定供給により、業績は拡大。今期2026年3月期予想は、連結売上高2453億円、営業利益197億円と過去最高業績更新の見通し。達成すれば16期連続増収となる。同社は1990年代に、業界でいち早くトレーの回収・リサイクルにも着手。そのため、近年多くの企業が取り組みを推進するCO₂削減にも一役買っている。今後はオリジナル製品の一層の強化や、包装資材問屋との連携により、さらなる成長を目指す。
エフピコ-佐藤 守正

佐藤 守正(さとう・もりまさ)

会長

1959年6月生まれ、群馬県出身。慶應義塾大学工学部卒、ハーバードビジネススクールOPM修了。83年三井物産入社。98年エフピコ非常勤取締役。99年エフピコに入社、取締役経営戦略室室長。2000年専務取締役経営戦略本部本部長。01年代表取締役副社長兼経営戦略本部長兼総務人事本部・経理財務本部・SCM本部管掌。09年代表取締役社長。22年代表取締役会長兼エフピコグループ代表(現任)。

スーパー・コンビニ向けでは5割のシェア
直近15年間で売上高、営業利益は2倍に

スーパーマーケットやコンビニなどの食品売り場では、肉、野菜、魚など生鮮食品や惣菜、弁当をはじめ、果物、卵などが、さまざまな食品トレーや容器に入って売られている。普段何気なく使っているもので、ほとんどの人がメーカーを意識することもないだろうが、実はその食品トレーの3つに1つがエフピコの製品だ。

同社は、国内シェアで約3割、スーパーマーケット・コンビニ向けでは約5割を超えるシェアを占める。同業の2位以下メーカーの製造売上高は、同社の3分の1以下で大きく引き離す。汎用トレーから惣菜・弁当容器、電子レンジや冷凍食品に対応した機能性容器など、約1万1000種類の製品を提供し、安全・安心な食生活を支えている。

2025年3月期の連結売上高2356億2800万円の内訳は、自社で製造するトレーや弁当・惣菜容器の「製品売上高」が約77%の1807億円、包装資材や消耗品を仕入販売する「商品売上高」が約23%で548億円だった。

業界初のトレーのカラー化で成長

同社は1962年に広島県福山市で「福山パール紙工」として設立した。スーパーやコンビニの拡大によってトレーの需要が増加。業界として初めてトレーのカラー化に取り組んで成長。89年には広島証券取引所に上場を果たした。

これまでの業績を振り返ると、上場した翌90年は売上高が529億円、営業利益28億円。約10年後の2001年に売上高は約2倍に増え、1000億円を突破した。その後、佐藤守正氏が社長に就任した09年には売上高1282億円、営業利益91億円。就任後は更に順調に業績を伸ばし、23年に売上高が2000億円を突破。25年3月期には15期連続増収となり、直近15年間で売上高、営業利益は約2倍に拡大している。

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