システム設計・開発、教育、セキュリティ対策 ディ・アイ・システム 【4421・スタンダード市場】

大型案件と教育サービスを強化
元請け案件比率30%目指し、利益率向上へ

ディ・アイ・システムは、1997年設立の独立系システムインテグレーター(SIer)だ。2018年の上場以降、利益率の高い元請け案件の獲得を強化しており、システムインテグレーション事業での同比率は19年9月期の14%から、24年9月期に23・8%まで拡大。26年9月期には30%以上を目指している。同社はこれまで従業員300~2000名規模の中堅企業を主要顧客としてきたが、昨年は大企業から過去最大規模の案件受注に成功。これを機に、顧客層の拡大を図っている。
ディ・アイ・システム-富田 健太郎

富田 健太郎(とみた・けんたろう)

社長

1973年9月生まれ、東京都出身。96年明海大学卒業。2001年ディ・アイ・システム入社。ネットワークインテグレーション部長、営業本部長、ITビジネス本部長を経て、14年常務取締役就任。19年代表取締役就任(現任)。

開発・導入・運用の全工程に対応
教育・セキュリティは高い利益貢献度

同社は、「システムインテグレーション(以下SI)事業」と「教育サービス・セキュリティソリューション事業」の2軸を展開している。東京、大阪、名古屋、横浜、静岡、福岡の6拠点を持ち、社員は約800名となる。

2024年9月期の業績は、売上高が前期比9・5%増の68億3100万円、営業利益は同1・0%増の3億4400万円。25年9月期は各事業において次の成長を見据えた投資フェーズに入っており、売上高は前期比10・1%増の75億2300万円、営業利益は同4・8%増の3億6000万円を見込む。

24年9月期売上高の9割を構成するのが、SI事業だ。SIerでは得意分野に特化する企業が多いが、同社には設計・開発とインフラ構築とで半数ずつのエンジニアが在籍。同事業の業務内容別売上高は、業務用システムの設計・開発49・6%、ネットワークやサーバーなどインフラ構築の設計・開発40・6%、運用・保守9・7%となっている。

「業務システムの開発・導入までの全工程を1社で対応できる点が当社の強みです。取引先は約300社で、情報サービス業を中心に、通信業、小売業、航空業、製造業など他業種にわたっています。最も取引が多い企業でも構成比は10%程度と、特定顧客への依存度が低い点も特徴です」(富田健太郎社長)

ITエンジニア育成研修も

もうひとつの柱である教育サービス・セキュリティソリューション事業は、売上高構成比は1割に留まるものの、利益構成比は15・5%と、利益貢献度が高い点が特徴だ。

教育サービスは、IT教育ベンダーやシステム会社、IT関連協会を対象に、主に新卒向けのITエンジニア育成研修を実施。少人数から500名規模まで幅広く対応できる研修ノウハウを有する。

またセキュリティソリューションは、22年のM&Aを機に開始した。金融機関などの大手企業や自治体を顧客とし、セキュリティソフトウェアの開発・販売・導入を行っている。

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