小ロット販売を強みに成長
コロナ下に過去最高売上高
同社が運営する「cotta」は、登録会員数約153万人(2024年9月時点)の製菓・製パン業界最大のプラットフォームだ。主に同サイトを介して、菓子やパン作りに必要な食材や道具、包装資材など、3万点超を全国の菓子店や消費者へ販売している。メイン顧客は、小規模の菓子店やカフェ、飲食店など。小規模事業者の「必要な分だけ仕入れたい」という要望に応えるため、通常問屋が卸さない小ロットでの販売を強みに成長してきた。
また、小規模事業者以外に、お菓子作りをする個人消費者をデジタルマーケティングで的確に取り込んできた。その結果、21年9月期の売上高はコロナ下の巣ごもり需要もあり、過去最高の92億5800万円となった。しかし今、同社は新たな転換期を迎えている。
「(個人消費者は)コロナを追い風に売上が大きく伸びましたが、その後特需が剥がれ落ち、またマーケットが激変したため、売上が伸び悩むフェーズに入りました。女性の社会進出も進み、原材料の値上げもあり、お菓子作りをしたい人しか残っていない、“ニッチな趣味の世界”となっています」(黒須綾希子社長)
24年9月期は、売上高が前期比3・9%増の89億5100万円、営業利益は同40・1%減の4億7700万円(営業利益率5・3%)。事業別売上高比率は、菓子店や飲食店向けの仕入れサイト「cotta business」を中心としたBtoB事業(その他グループ会社含む)が約7割、一般消費者を対象としたBtoC事業が3割弱。加えて、広告やブランドコンサルティングなどのサービスを提供するメディア事業で構成される。
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