「車載型レーザ計測システム」
「ドローン」などで高精度化を追求
アジア航測の特徴は、点検にとどまらず、計測・診断・修繕計画の策定・管理までワンストップで提供できる点にある。
その中核を担うのが、UAV(ドローン)や車載型レーザ計測システム(MMS:モービルマッピングシステム)を活用した効率的で、高精度な点検技術だ。単なるコスト削減を目的とする「効率化」ではなく、安全性と信頼性を確保しながら、業務全体の質を高める「高精度化」を追求している。
これまでのインフラ点検といえば、専門の作業員が現地に足を運び、目視で確認するのが主流だった。しかし、それでは時間も手間もかかるうえ、危険な場所では作業の安全確保も課題になる。1954年の創立以来同社は、技術力を磨くことでこうした課題解決に取り組んできた。
点検・診断・計画を一元管理
自治体・管理者の保全計画を支援
特に注目されているのが、国土交通省の「点検支援技術性能カタログ」に掲載されている独自技術「Make Ortho(投影面座標指定によるオルソ画像作成技術)」*だ。
*国が定めた標準項目に対する性能値を開発者に求め、開発者から提出されたものをカタログ形式でとりまとめたもの。
この技術は、UAVで取得した画像から、高精度なオルソ画像(幾何補正された真上からの写真)を自動生成し、橋梁や砂防施設の点検を迅速かつ安全に実施可能にする。
点検対象の細部まで正確に記録できるため、診断や修繕計画の高度化にもつながるという。点検後は、得られたデータをもとに専門技術者による診断を実施。損傷の進行度や構造の安全性を多角的に評価し、中長期的な視点での修繕計画を提案する。
また、点検・診断・計画といった個別のプロセスをつなぎ、情報を一元的に管理するプラットフォームとして、「ALANDISシリーズ」を展開。道路や上下水道など、多様なインフラ情報をクラウド上で統合管理できるこのシステムは、自治体やインフラ管理者にとって、戦略的な保全・更新計画の立案を強力にサポート。長期的な保全計画を支える基盤となっている。
AIや3Dマッピングなど
未来見据えた研究開発推進
アジア航測は現在も、3D技術を用いたデジタルツイン、ドローンの自律飛行による点検の効率化、静的および動的情報の組み合わせによる変状の把握、AIによる劣化判定など予防保全を見据えた研究開発への継続的な取り組みも積極的に進めている。
同社は今後も、先端技術を通じて持続可能な社会インフラの構築を支え、未来の暮らしに「安全・安心」を届けるパートナーとして現場と技術をつなぎ、課題解決に取り組んでいく。